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2025.11.20

知財ニュース

京王バス、2027年度以降に完全キャッシュレス化へ―2025年度から本格的な取り組み開始

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京王電鉄バスと京王バスは10月28日、路線バスの完全キャッシュレス化に向けた取り組みを2025年度から本格的に始めることを発表した。調布営業所の路線で実証運行を順次展開し、2027年度以降には現金での運賃収受を終了する計画。

国土交通省が推進する完全キャッシュレスバスは、深刻化する運転士不足への対策としても期待されている。現金の取り扱いや管理業務をなくすことで運転士の負担を軽減し、効率的な運行体制の構築を目指していく。

キャッシュレス化によって乗降時の支払いがスムーズになり、乗降時間が短縮しバス運行の定時性が向上することや、デジタルでの利用履歴の管理やモバイルサービスを活用したサービスなど、利用者の利便性も高まる。現金を取扱うための運賃機など、専用の機器の維持管理にかかる費用や、老朽化にともなう更新のための投資など、多額のコストの削減につながるという。

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キャッシュレス化へのスケジュールは、2025年度に調布営業所の一部路線で周知と実証を開始し、2026年度には全営業所で順次展開。2027年度以降には、全路線で現金取り扱いを終了。支払いは交通系ICカードやクレジットカードのタッチ決済、定期券、デジタルチケットなどが利用可能で、VisaやMastercard、JCBなど主要ブランドに対応する。

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京王電鉄バスグループでは、2008年度の交通系ICカードの導入を始まりとし、キャッシュレス化が進んでおり、2025年3月には同社調布営業所管轄路線において、クレジットカードなどによるタッチ決済機器の導入を実施、キャッシュレスでの支払い手段拡大を図っている。

現金利用率は2022年度4.3%から2024年度3.9%に減少。一方でICカード利用は2024年度で78.1%と高水準だ。2024年度には国交省の『完全キャッシュレスバスの実証運行』にも参加しており、「調布駅南口~味の素スタジアム」など3路線で完全キャッシュレス運行を実施した。

京王電鉄バスグループは「公共交通事業者として、バス路線が将来にわたって維持され、お客様にとって利便性の高い公共交通機関であり続けられるよう、完全キャッシュレス化の推進を通じ、利便性向上とさらなる経営効率化に向けて取り組んでまいります」とコメントしている。

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Top Image : © 京王電鉄バス

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