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2023.04.17

知財ニュース

Dentsu Lab Tokyo、不要な廃棄物をテクノロジーで蘇らせるアップサイクルプロジェクト「UP-CYCLING POSSIBILITY」を始動

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テクノロジーを起点に社会課題の解決や新たな表現開発を実践するDentsu Lab Tokyoは、廃棄物に新たな機能や価値を継ぎ、廃棄物との向き合い方を変えるためのプロジェクト「UP-CYCLING POSSIBILITY」を始動した。

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「UP-CYCLING POSSIBILITY」は、脳波で動く猫耳型のコミュニケーションツール「necomimi」など、様々なプロダクトを発表してきたクリエイター・なかのかな氏主導の新プロジェクト。不要になった家財道具が捨てられていくときの罪悪感と向き合い、捨てられたモノや壊れたモノに伝統と最新のテクノロジーとクリエイティビティを足すことで新たな機能と価値を付与し、「未来のアップサイクル」の可能性を探る。

人が生み出した人工物の総重量が約1兆1,000億tに達し、地球上の生物の総重量を上回ったといわれる昨今。新しくなにかを作ることだけが、未来に繋がるのではない時代に差しかかる中で、「UP-CYCLING POSSIBILITY」が始動。廃棄予定のプロダクトに新たな可能性を組み合わせ、新たなプロダクトを生成する。

開発にあたり、同プロジェクトでは割れた器を漆で接着し、修復跡を金粉や色漆で装飾する日本の伝統的なアップサイクル技法“金継ぎ”に着目。欠けたパーツに電流を流すことで温冷が変わるペルチェ素子や、傾き回数によって色変化するLEDやセンサ、振動パーツなどを加え、最新テクノロジーで新しい機能を追加。新しい食体験を生み出すことを目指した。

また、アップサイクルを自分ごととして考えるきっかけになる「アップサイクル発明ゲーム」キットを開発した。α世代(2010〜2024年頃までに生まれた世代)でも楽しく参加できるカードゲームで、モノとの向き合い方を考える機会を促す。

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FireShot Capture 342 - ダイセル様向け WSスペースリサーチ - Google スライド - docs.google.com

「壊したときに、捨てる前に、このモノをどうしちゃおうかなと考える回路ができると、世界の見え方が少しだけ変わります」と語るなかのかな氏。今後、本プロジェクトは、様々なコラボレーターとの共創でアップサイクルの可能性を広げるとともに、壊れたモノとの向き合い方を変える視点を提供し、いまあるものを新しくする意識が生活の中に浸透する世界を作りたいとしている。

なお、本プロジェクトでは、生み出されたプロダクト(器5点、傘1点)を展示する「アップサイクルの可能性展UP-CYCLING POSSIBILITY」を資生堂グローバルイノベーションセンターで開催。場内では、アップサイクルを自分ごととして考えるきっかけになる「アップサイクル発明ゲーム」のカードゲームを用いて来場者がアップサイクルのアイデアを生み出せる参加型コーナーも設置し、「未来のアップサイクル」を考えるきっかけを提供する。

FireShot Capture 343 - アップサイクルの可能性展 UP-CYCLING POSSIBILITY - S PARK - 資生堂 - 横浜みなとみらい - カフェ・ラ - spark.shiseido.co.jp

■「アップサイクルの可能性展 UP-CYCLING POSSIBILITY」概要

期間:2023年4月4日(火)~4月22日(土)、5月15日(月)~6月3日(土)
時間:11:00〜18:00 (日曜定休)
場所:資生堂グローバルイノベーションセンター(S/PARK)2階 S/PARK Museum FUTURE ZONE(〒220-8559 神奈川県横浜市西区高島1丁目2-11)みなとみらい線「新高島」駅 1・2番出口すぐ

■開発プロダクト

第1弾:くちあたりの温度が変化する器「TSU→GI CUP “TEMP"」

フレキシブルペルチェパーツを用いて、割れた茶器やグラスをくちあたりの温度変化を楽しめる器にアップサイクル。器に合わせて独自開発したデザインヒートシンクを組み合わせることで、見た目にも新鮮さが加わります。なお、共同研究を進める伊藤研究室の食器の温度による味覚や食体験への影響の研究によると、下唇を含む口腔内への温度提示によって「甘味」の感じ方、「のどごし」などの食体験が変化することが明らかになっています。

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第2弾:くちあたりの感触が変化する器「TSU→GI CUP “VIBE"」

ティーカップの割れた部分に振動するパーツを継ぐことで、くちあたりの感触の変化を楽しめる器にアップサイクル。心臓のドキドキが伝わるような振動パターンや、大怪獣が近づいてくるシーンのような揺れる水面などを楽しむことができます。

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第3弾:温冷が変化する皿「TSU→GI PLATE “TEMP"」

割れたお皿をスマートフォンでスキャンしたデータから3Dモデルデータを制作、欠けた部分をステンレスパーツに置き換えました。このお皿を、ペルチェ素子を仕込んだランチョンプレートに乗せることで、「お刺身と天ぷら」、「サラダとミートパイ」など温かいものと冷たいものを同時に盛りつけることができる可能性があります。将来的には、忙しい毎日の中で割れてしまったお皿が、ゆったりした時間を楽しむためのお皿に生まれ変わるかもしれません。

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第4弾:光る傘「TSU→GI UMBRELLA “GLOW”」

傘はよく骨が折れてしまい、壊れたら廃棄されてしまうものの代表格です。傘の骨を継ぐキットはすでに販売されていますが、機能性を足すことで直す行為がわくわくするものに変えられないかと考えました。そこで、折れてしまった骨の部分を、LEDライトの棒に継ぎ替えてみました。夜道を歩くときにも明るい傘にアップサイクルされました。

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■本プロジェクトのコラボレーター

金継監修/技術協力:株式会社つぐつぐ 
制作協力:中野梢
共同研究(温冷感):大阪ヒートクール株式会社、青山学院大学 (伊藤雄一,上堀まい)​

プレスリリースはこちら

資生堂グローバルイノベーションセンター(S/PARK) 公式サイト

Dentsu Lab Tokyo 公式サイト

「アップサイクルの可能性展 UP-CYCLING POSSIBILITY」紹介サイト

「necomimi」知財記事

Top Image : © Dentsu Lab Tokyo

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