News
2025.09.08
知財ニュース
テスラ、AI自動運転「Full Self-Driving」試験走行テストと学習走行を日本でスタート

テスラは、「Full Self-Driving(Supervised)」の技術テスト走行および学習を、日本国内で本格的にスタートしたと発表した。
テストは、テスラの「We, Robot」イベント(2024年10月10日)で披露されたFSD v13の技術を活用し、都市部の複雑な道路環境や高速道路での性能を検証するものだ。テスト車両は、現在、販売中の車両と同様の最新AIハードウェア(AI 4)、およびカメラベースのTesla Visionを搭載したミッドサイズモデル3を使用するとしている。
米国では、一般的な車の場合、平均113万km毎に1件の衝突事故が発生している。テスラは、同社の運転支援システムは通常の車より9.5倍安全だとしており、テスラのオートパイロット機能をオンにした車両は平均1,077万km毎に1件の衝突事故しか発生していないのだという。
Full Self-Driving(Supervised)は、ドライバーの常時監視を前提にしたスーパーバイズド(監視義務付き)運転支援システムだ。車両に搭載された8つのカメラによる360度視野と、Tesla Visionによるリアルタイム環境認識を行う。これらは、一般的な自動車で採用されているレーダーや超音波センサー、高精度地図は使用せずにカメラのみで動作している。
車両をスマートフォンアプリ経由で呼び寄せる「ASS(Actually Smart Summon)」機能も搭載され、GPSとカメラを活用し、最大約85メートルの範囲で動作する。安全性では、緊急ブレーキ、衝突警告、車線逸脱防止を統合。ドライバーの注意力は、ステアリングホイールへのトルクまたは車内カメラによる顔認識で監視する。
FSD v13では、エンドツーエンドの深層学習アーキテクチャを採用している。従来のルールベースアルゴリズムを廃止し、全世界600万台以上のテスラ車両から収集した10億マイル以上の走行データを基に、複雑な運転シナリオを学習中とのこと。
同社は、2021年、Model 3とModel Yからレーダーを取り除き、Tesla Vision(カメラベースの周辺認識)への移行を行い、2022年には、超音波センサーを廃止した。現在、世界中でTesla Visionに基づいた車両でオートパイロットシステムを実現している。
Tesla Visionをリリースして以来、機能面と安全性の両面で段階的な改善を続け、米国および欧州におけるアクティブセーフティ評価において、レーダーや超音波センサーを装備した車両と比較して、同等またはそれ以上を記録し、歩行者用自動緊急ブレーキの介入なども性能が向上している。
同社は、この取り組みは、テスラの先進運転支援システムを世界中で展開し、道路交通の安全性と利便性を向上させるための重要な一歩だとしている。また、「Full Self-Driving(Supervised)」の日本市場でのリリース時期は、今後の開発状況及び規制当局の許認可に依存するとのことだ。
Top Image : © Tesla Japan 合同会社