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2024.03.05

知財ニュース

日本初、明治大発のベンチャー企業らが、ヒトへの「臓器移植用」ブタの生産に成功

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明治大学発ベンチャーのポル・メド・テック社と、人に移植可能な臓器や細胞を開発する米国バイオテクノロジー企業のイージェネシス社(eGenesis)は、日本で初めて異種移植用の遺伝子改変クローンブタの生産に成功したと2月13日、発表した。2月11日に3頭のブタが誕生し、今後前臨床研究のために日本国内の医療機関に供給される予定。

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臓器移植医療における提供臓器の不足は、喫緊の世界的課題となっている。近年の日本では、臓器移植の希望者のうち実際に移植を受けられるのは約3%に留まっており、その一因として臓器提供者の極端な不足(米国の1/60以下、韓国の1/9)が挙げられている。

このような状況下に、日本でも異種臓器移植の臨床応用に対する期待が高まっていることを受け、明治大学発ベンチャーである株式会社ポル・メド・テックは、イージェネシスが開発した遺伝子改変ブタを日本で再現生産することに成功した。

2023年9月にポル・メド・テックはイージェネシスから遺伝子改変ブタ細胞を輸入し、明治大学バイオリソース研究国際インスティテュートで開発された体細胞核移植技術を用いてクローン子豚を作製した。

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異種移植の実現は日本でも長年待ち望まれていたが、臨床への応用に耐え得るブタが開発途上であったため、基礎研究の段階に留まっていた。

イージェネシスは、免疫拒絶に関係する10種類の遺伝子の操作に加えて、ブタ内在性レトロウィルスの全遺伝子を不活化したブタを世界に先駆けて開発した。このブタの腎臓を移植されたサルが、2年以上生存したことを2023年のNature誌で発表している。

このような実績を有する遺伝子改変ブタのクローン個体が日本で誕生したことにより、今後、国内での臨床応用実現に向けての取り組みが加速化されることが期待される。

<前臨床研究結果を報告した論文>

Anand et al. (2023): Design and testing of a humanized porcine donor for xenotransplantation. Nature, 622, 393-401.

研究資金:ポル・メド・テックの本研究遂行には、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)の医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE) イノベーション創出環境整備タイプ「医療用ブタ製造を目指した基盤整備」の支援を受けた。

明治大学 プレスリリースはこちら

ポル・メド・テック社

Top Image : © ポル・メド・テック 社

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