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2023.12.08
知財ニュース
Honda、全方位安全運転支援システム「Honda SENSING 360+」を発表─ドライバーの運転負荷を軽減
Hondaは、車両周辺の死角をカバーし、交通事故の回避やドライバーの運転負荷の軽減をサポートする全方位安全運転支援システム「Honda SENSING 360+(ホンダ センシング サンロクマル プラス)」を発表した。2024年に中国で、「ACCORD(アコード)」から適用を開始し、その後、グローバルでの展開を予定している。
2022年に中国で販売された「CR-V」から搭載を開始した「Honda SENSING 360」は、フロントと各コーナーに計5台のミリ波レーダーを装備することで360度センシングを実現し、従来の運転では目視での確認が難しかった車両周辺の死角をカバーすることで、他の車両や歩行者との衝突回避や運転に伴うドライバーの運転負荷を軽減させることを特長とした全方位安全運転支援システムだ。
今回発表された「Honda SENSING 360+」は、従来の「Honda SENSING 360」の機能に加え、新たにドライバーモニタリングカメラ、高精度地図を採用することでドライバーの状態確認や、車両の制御機能が向上し、ドライバーの運転負荷を軽減させることが可能となった。これにより、健康起因やヒューマンエラーで発生する事故を抑制し、全てのユーザーが心から安心して自由に移動できることに加え、「積極的に出かけたい」「もっと遠くまで行きたい」と思えるようなクルマの提供を目指す。
「Honda SENSING 360+」の主な特長は以下となる。
ドライバーの運転負荷を軽減する「ハンズオフ機能付高度車線内運転支援機能」。
高速道路や自動車専用道を走行中に、システムがアクセル、ブレーキ、ステアリングを操作し、ドライバーがハンドルから手を離しても(ハンズオフ)、車速や車線内の走行を維持できるようにする機能だ。高精度地図、全球測位衛星システム(GNSS)を活用し、自車の位置を特定。先行車がいない場合、ハンズオフでも設定した車速を保ちながら車線の中央を維持するように走行し、先行車がいる場合には、適切な車間距離を保って追従。カーブでは曲率を前もって読み取り、曲率に応じた加減速を行うことで安心して運転できるようにサポートする。
追い越しや車線復帰を助ける「レコメンド型車線変更支援機能」。
ハンズオフ機能付高度車線内運転支援機能で高速道路や自動車専用道を走行中に、自車より車速の遅い先行車を検知すると、一定の条件下でシステムが周囲の状況を判断。追い越し可能と判断した場合、ドライバーに通知したうえで、ドライバーが手元のスイッチで追い越しを承認すると、ウィンカー操作や加減速、ステアリング操作を行い、追い越しや車線復帰を支援する。
さらに、経路誘導モードでは、ナビの経路案内にもとづき、目的地に向かうための車線変更を提案。ドライバーの承認が得られると、システムが自動的に分岐進入、退出までの一連の車線変更を行う。
高速道路や自動車専用道でカーブを走行する際、即座に減速しないと事故のリスクがあると判断した場合に、警告や減速支援を行うことでカーブ路外逸脱事故の発生を抑制する「カーブ路外逸脱早期警報」。
高い速度でカーブに進入する際、メーターに「前方カーブ注意」を表示することで早期にドライバーに認知を促す機能だ。カーブに近づき、減速が求められるタイミングになると、警告音とヘッドアップディスプレーでの点滅表示により、ドライバーに減速を促す警告を行う。さらにカーブに近づき、即座に減速が必要な場合は、より強く警告するとともにシステムが減速を行うことでカーブ路外逸脱事故の発生を抑制する。
「降車時車両接近警報」では駐停車中、後側方に接近する車両を検知すると、フロントピラーもしくはサイドミラー上のインジケーターを点灯させ、認知を支援する。さらに、乗員が開けようとしたドアが通過する車両と衝突するおそれがあるとき、インジケーターを点滅させると同時に警報音で注意喚起をする。
走行中にドライバーの体調急変などにより、運転を継続できなくなった場合、同一車線での減速・停車を支援する「ドライバー異常時対応システム」。
ドライバーがシステムからの操作要求に応じなかった場合、段階的に警告音を強めていき、ドライバーが操作要求に応じるように促す。それでも応じなかった場合は、ハザードランプとホーンで周囲に注意喚起をしながら、同一車線での減速・停車をサポート。さらに、緊急通報サービス(HELPNET®)でコールセンターへ接続し、ドライバーや同乗者、周囲の交通参加者の安全を確保する。
Hondaは安全運転支援技術への取り組みで、道を使う誰もが事故に遭わない社会の実現を目指し「Safety for Everyone」のスローガンのもと、ハード・ソフトの両面で安全技術の研究開発に取り組んできた。2050年に全世界でHondaの二輪車、四輪車が関与する交通事故の死者をゼロにするという高い目標を掲げて取り組んでおり、現在、量産車で展開をしている安全運転支援システム「Honda SENSING」は2014年の誕生以来、その機能を進化させながらグローバルでの適用を拡大し、さまざまなシーンにおけるユーザーのドライブをサポートしてきた。
最先端の安全運転支援技術においては、2021年に自動運転レベル3に適合するトラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)を搭載した「Honda SENSING Elite(ホンダ センシング エリート)」をセダン型の乗用車「LEGEND(レジェンド)」に搭載して発売したほか、2022年にはこの技術開発で培われた知見を活かした全方位安全運転支援システム「Honda SENSING 360」の展開を開始しており、さらなる安全・安心を提供すべく機能進化を続けていくとしている。
Top Image : © 本田技研工業 株式会社