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2023.10.31
知財ニュース
ソフトバンク、成層圏からの5G通信試験に成功─ルワンダ政府と協力
ソフトバンク株式会社は、成層圏通信プラットフォーム(HAPS)の研究開発の一環として、HAPSの無人航空機の試験機体に自社で開発した5Gに対応するペイロード(通信機器)を搭載し、2023年9月24日、成層圏で5Gの通信試験に成功したことを発表した。
同試験は、ソフトバンクとルワンダ共和国の政府が協力し、ルワンダの領空で実施されたもの。HAPSの無人航空機を活用して成層圏からの5Gの通信試験に成功したのは、世界初となる(※)。
(※成層圏において、飛行機型のHAPSを活用した5Gの通信試験に成功したのは世界初(2023年10月17日時点)ソフトバンク調べ)
ソフトバンクとルワンダ政府は今後、ルワンダなどのアフリカ地域におけるHAPSの活用の可能性と商用化に向けた研究に取り組んでいく。その他、通信環境が整っていない農村地域の学校やコミュニティーのデジタル化なども検討しているという。
なお、両者は2023年6月に、今回使用したペイロードと同様の大きさと重量のダミー機器を搭載した成層圏飛行試験をルワンダで実施しており、本試験はそれを発展させたもの。
ソフトバンクが開発したペイロードは、成層圏の高度最大16.9kmにおいて、約73分間連続で5G通信を提供し、厳しい条件下でも想定通りの性能を発揮した。
本試験では、一般販売されている5G対応スマートフォンと通常通信で利用されている電波を利用して、ルワンダの試験場と日本の間で5Gによるビデオ通話(Zoom)を実現したという。
ソフトバンクの代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川潤一氏は、「HAPSをはじめとするNTNソリューションを活用し、デジタル格差の解消を目指していく中で、今回の試験結果は重要な一歩となる」と期待を示し、また、ルワンダのICTイノベーション省のポーラ・インガビレ大臣は「今回の試験は、非常に将来性がある取り組み。将来的には、ルワンダを世界中の先進的でビジョンのある人々が集まる場所にしていきたい」と話した。
Top Image : © ソフトバンク 株式会社