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2021.08.04
知財ニュース
会議中にスマホに没頭する政治家をチェックするソフトウェアがベルギーで誕生、AIが自動的に検出しSNSで報告
近年、重要な審議中に携帯を見ている政治家が度々問題として挙げられている。
アメリカでは2021年始め、1月6日の国会議事堂襲撃についての証言中に携帯をいじっていた共和党のテッド・クルーズ議員が批判された。また2018年には、民主党のブレンダ・ローレンス議員が、一般教書演説の最中にゲーム「キャンディクラッシュ」をしていたのがバレて問題となり、オーストラリアでは携帯使用が世間に悪いイメージを与えるとして、質疑中の携帯電話使用禁止が検討されるなどしている。日本でも2020年に、自民党の平井卓也議員が国会審議中にワニの動画を見ていたことが物議を醸した。
そのような実状を踏まえ、携帯ではなく審議に集中するよう促すソフトウェアが、ベルギーで開発された。
こちらのソフトウェアを開発したのは、デジタルアーティストのドリス・デポーターさん。国会中継の映像から、携帯電話をチェックしている国会議員をAIが自動的に検出し、結果をTwitterとInstagramのアカウントで報告する設計となっている。
デポーターさんが住むベルギー・フランデレン地域にちなんで「フランデレン・スクローラーズ」と名付けられた。
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注意散漫になっている親愛なるバート・ソマーズさんとヤン・ヤンボンさん、集中してください!
注意散漫になっている親愛なるピート・ファン・ロンパイさん、集中してください!
フランデレン・スクローラーズで携帯使用を指摘された政治家は「仕事目的で使っていた」と説明しているという。ソフトウェアでは政治家が携帯で見ている内容までは確認できないため真偽は分からないが、携帯使用を指摘された政治家が、必ずしもネットサーフィンを楽しんでいたとは限らない。
しかし、フランデレン・スクローラーズが普及することにより、会議に対する政治家の集中力アップが期待できるのではないだろうか。
デポーターさんは、フランデレン・スクローラーズのオープンソース化を検討しており、ソースコードが公開されればベルギー以外でも使えるようになるとのこと。これまでの政治会議に一石を投じるこちらのソフトウェアの、今後の動きに注目していきたい。
Top Image :©The Flemish Scrollers