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2023.12.22

知財ニュース

DiageoとecoSPIRITS、再利用できるガラス瓶で蒸留酒を世界18の市場へ展開─スミノフ、ゴードンズ、キャプテン・モルガンで展開

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英国大手アルコール飲料企業のDiageo(ディアジオ)は現地時間2023年11月29日、低炭素・低廃棄物蒸留酒流通技術を持つシンガポールのスタートアップ・ecoSPIRITSとの提携を発表した。両社は、Diageoの「スミノフ・ウォッカ」「ゴードンズ・ジン」「キャプテン・モルガン・ラム」を、ecoSPIRITSの再利用可能なガラス瓶フォーマットで販売するグローバル契約を締結。今後3年間で、世界18の市場へ試験的に展開する。

本契約締結は、両社が2022年から開始したインドネシア地域での実証プログラムの成功に基づく。バリ島やジャカルタの38の大手バー、レストラン、ホテルで実施し、商業的な実行可能性を得たという。今回締結した契約には柔軟性を持たせており、試験状況に応じた今後の規模拡大を想定している。

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ガラス瓶には、ecoSPIRITSが展開している再利用可能なガラス瓶「ecoTOTE」を用いる。ecoTOTEの容量は4.5ℓ。最大150回再利用できるように設計されている。このecoTOTEの耐用年数は、寿命までに最大1,000本のガラス瓶の使用が不要になると期待されている。70clのガラス瓶換算では、使用6回目以降で二酸化炭素排出量の削減が期待されるという。

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ecoSPIRITS は、蒸留酒とワイン業界の使い捨てガラスを再利用可能な循環型のパッケージに移行し、ガラス廃棄を無くすことを目指すテック企業だ。ガラス瓶は、特に輸送に伴うCO2排出量が多くなるが、同社によると、2020年には使い捨ての蒸留酒・ワインの瓶が700億本生産されたという。またガラス廃棄時には、未だ埋め立て処分を行う国もあり、熱処理する際にはプラスチックなどと比べて高温処理が必要になるなど、環境負荷も高い。

同社はそうした課題を解消するため、循環型生産を実現するクローズドループシステムを構築。ecoTOTEを流通の軸に据え、蒸留酒の充填や瓶の洗浄・消毒を行う回収・充填所「ecoPLANT」や、バーやレストラン、ホテルでバーテンダーが酒を注げる機能「SmartPour」などを開発し、循環サイクルを形成している。

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両社による、ecoSPIRITSの循環型容器技術を使用した18市場への展開は、2024年を予定。同年年初に提携計画の詳細を発表する予定だ。Diageoは2030年までにサプライチェーン全体の炭素排出量を50%削減し、2050年にはカーボンニュートラルを実現するという目標を掲げている。本提携はその一歩と位置付けている。

ニュースリリースはこちら(1)(2)
「ecoSPIRITS」公式サイト

Top Image : © Diageo

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