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2025.08.25
知財ニュース
AI企業Tensor、レベル4の自動運転車「Tensor Robocar」を発表―個人で買える設計

AIスタートアップのTensorが、個人が所有することを前提に設計されたレベル4の自動運転車「Tensor Robocar」を発表した。
「Tensor Robocar」は、流線形の近未来的なデザインが特徴で、その内部にはカメラ37台、LiDAR5基、レーダー11基を含む100以上のセンサーがシームレスに統合。これにより、特定のエリアや天候条件下で人の手を介さず完全に自動で走行する「レベル4」の自動運転を実現する。
さらに22のマイク、10の超音波センサー、16の衝突検知器、8の水位検知器などが含まれる。
さらに、この車は単なる移動手段に留まらない。スマートフォンから「迎えに来て」と音声で指示すれば自動でやってきたり、「エアコンをつけて」といった細かな操作も声でコントロール可能。利用者が望めば自分で運転することもでき、ボタン一つでダッシュボードからハンドルが現れるという未来的なギミックも備えられている。
「Dual-system AI」や「Tensor Foundation Model」といった、Tensor独自のAI構造も存在する。
Tensor社は安全性とプライバシーにも最大限の配慮をしており、位置情報や履歴といった個人データはクラウドに送らず車両内で処理・保存され、物理的なカメラカバーやマイクのオフスイッチも用意される予定。また、米国の厳格な連邦自動車安全基準に適合するよう設計が進められているという。
同社は、2026年後半に米国、欧州、アラブ首長国連邦の一部市場で納車を開始するとしているが、価格は不明。多くの企業が開発競争を繰り広げる中、Tensorが個人所有の自動運転車という新たな市場を切り拓けるか、その挑戦から目が離せない。
Top Image : © Tensor