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2023.09.22

知財ニュース

大成建設と日立コンサルら、「建設承認メタバース」開発に着手、メタバース上で設計承認へ─業務スタイルを変革

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大成建設は、日立コンサルティング、GlobalLogic Japan株式会社、日立社会情報サービスの3社と共同で、建築計画における次世代の業務スタイルへの変革を推進するシステム「建設承認メタバース-CONSTRUCTION CONTRACT(C2QUEST)-」の開発を開始することを発表した。

開発では、建築物の意匠・構造・設備などのデジタルデータが統合されたBIM(ビルディングインフォメーションモデリング※)を基に、クラウド上に建築物のメタバースを構築する。メタバース上に発注者等への説明から仕様の決定、プロジェクトの関係者間での合意形成に必要なデータ、建設承認に至る議事録など、あらゆる情報を一元管理し、施工現場における業務の効率化や働き方改革への貢献を目指すという。

(※BIM:コンピュータ上に作成した主に3次元の形状情報に加え、室等の名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げ等、建築物の属性情報を併せ持つ建物情報モデルを構築するシステム)

近年、コンピュータやネットワーク上に構築された仮想空間であるメタバースの活用も始まっており、不動産の内覧や住宅展示場においてメタバース上に再現された建物内部を実際に歩き回る感覚で、建物の完成形イメージを体験することなどBIM活用は拡大している。

一方、施工現場では、紙図面での資料作成や目視重視の確認作業、作業員などの人材不足といった多くの課題が残されている。特に建築プロジェクトにおいては、関係者間での合意形成の円滑化が重要項目となっていた。関係者相互の認識の相違をなくし、速やかな合意形成につなげる情報の一元管理が求められていた。

BIM 引用元: 国土交通省 建築BIM推進会議 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/content/001351969.pdf

同システムは、VR(仮想現実)との融合や承認プロセスのデジタル化、議事録の自動作成などにより、プロジェクトの立ち上げから建設承認までの流れを詳細に把握できることが特徴。確定情報の明確化によってバーチャル上で早期に建築物を竣工し、事業推進に大きく寄与することができる。

また、BIMに不慣れであっても本システムの活用により仮想空間上で容易に詳細を確認でき、相互にイメージを共有してコミュニケーションの円滑化が図れるため、効率的にプロジェクトを推進することが可能だ。

同社では、「今後、同業他社やIT企業などの様々なパートナーとも連携・協調を図りながらBIMやメタバースに基づき、生成AIやゲームエンジン等の先進技術を活用した本システムのさらなる技術開発を進め、施工現場での生産プロセスのDXを通じて建設業の次世代の業務スタイルへの変革に積極的に取り組みたい」と開発への意欲を見せている。

プレスリリースはこちら

国土交通省 建築BIM推進会議

Top Image : © 大成建設 株式会社

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