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2025.10.08

知財ニュース

株式会社COTEN、人文学研究のAIシステム「Leonardo」をJADH 2025で発表―専門書籍を横断的に分析

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株式会社COTENは、2025年9月20日から21日にかけて大阪大学箕面キャンパスで開催された「第14回日本デジタル・ヒューマニティーズ学会大会(JADH 2025)」において、人文学研究を支援するAIシステム「Leonardo」を発表した。

同システムは、1,800冊を超える人文学分野の書籍を横断的に分析し、根拠となる出典を明示しながら人工知能が文脈を理解して回答を提示することで、人文学研究者がこれまで多大な時間を費やしてきた文献探索や資料整理を効率化し、人文学研究の効率化と学術的な信頼性の両立を実現するもの。

単に回答を提示するだけでなく、その回答がどの書籍のどの部分から導かれたのかを明確に示すため、研究者はAIの提示する情報を安心して参照できるという。

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OCR 処理とベクトルデータベースの活用によって検索にかかる時間を大幅に短縮し、研究者が本来注力すべき思考や分析に集中することを可能にする。試用した研究者からは、「本を探す時間がなくなった」「今まで気づかなかった文献に出会えた」といったポジティブな声が寄せられており、その実用性が証明されているという。

今後は書籍間の関係性を可視化する機能の開発や、AI出力のバイアスを低減する取り組みにも注力していく予定。教育現場への導入や研究基盤としての拡張も視野に入れ、人文学研究をより効率的かつ効果的にするための手法開発を推進していくという。

今回の国際学会発表は、学術界に対しては研究の信頼性を担保する新しいAIツールを提示するものであり、同時に社会に対して人文知を誰もがアクセスできる知へとひらくことを目指す試みだとしている。

プレスリリースはこちら

Top Image : © 株式会社 COTEN

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