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2024.10.28
知財ニュース
Amazon、原発事業に参入、750億円超を投資―次世代原子炉「小型モジュール炉」開発、電力確保へ
Amazonは2024年10月16日、次世代原子炉「小型モジュール炉(SMR)」の開発を支援するために3つの新しい契約を締結したと発表した。これには、いくつかの新しい小型モジュール原子炉(SMR)の建設が含まれるとのこと。AI開発、運営におけるデータセンターの電力消費の増加に対応するためだとされている。
Amazonウェブサービス(AWS)のCEOであるマット・ガーマンは、「原子力は安全な炭素フリーエネルギー源であり、当社の事業を支え、高まる顧客ニーズに応えるとともに、2040年までに事業全体でネットゼロカーボンを達成するという当社のClimate Pledgeのコミットメントの達成にも役立ちます」と述べている。
また、気候変動に対処する最も早い方法の1つは、社会を炭素フリーのエネルギー源に移行することだとしており、原子力エネルギーは炭素フリーで規模の拡大も可能なため、同社にとって重要な投資分野だとしている。
ワシントン州では、州の公益事業体のコンソーシアム「Energy Northwest」と契約。これにより、4基の最新式SMRの開発が可能になる。原子炉は「Energy Northwest」によって建設、所有、運営され、プロジェクトの第1フェーズで約320MWの発電能力が見込まれており、米国の77万世帯以上に電力を供給するのに十分な量の合計960MWまで増設するオプションもあるとのこと。
X-energy が設計した小型モジュール型原子炉のモデル
次世代SMRと燃料の開発企業「X-energy」には、Amazonが中心に約5億ドルの資金調達を発表。「X-energy」の先進的な原子炉設計は「Energy Northwest」のプロジェクトで使用される予定だとしている。この投資には、5GW以上の新たな原子力エネルギープロジェクトをサポートするSMR機器を開発するための製造能力も含まれる。
バージニア州では、公益事業会社「Dominion Energy」と、「Dominion Energy」のノース・アナ原子力発電所近くでのSMRプロジェクトの開発を検討する契約を締結。これにより、バージニア州地域に少なくとも300MWの電力が供給されることになるのだという。
Top Image : © Amazon.com, Inc.