News

2024.01.31

知財ニュース

芥川賞、執筆に「生成AI」活用した作品が受賞─九段理江さん『東京都同情塔』、全体の5%は生成AIの文章

受賞者

九段理江さん(33)が著した「東京都同情塔」が、第170回芥川賞を受賞し、1月17日の受賞会見では、ChatGPTなどの文章生成AIを駆使して執筆したことが明かされた。同作品は、犯罪者が快適に暮らせる高層タワーが建設されるなど、寛容な社会になった未来の日本社会を描き、生成AIが普及した社会の在り方も描かれた内容になっている。

同情塔 九段さんの作品、『東京都同情塔』

九段さんは、AI時代における小説執筆について「今回の小説は、ChatGPTのような文章生成AIを駆使して書いた。そのうち全体の約5%は生成AIの文章をそのまま使用しているところがある」と述べ、今後もAIを上手く利用しながら、自身の創造性を発揮していく意向を表明した。

1990年生まれの九段さんは、2021年「悪い音楽」で第126回文学界新人賞を受賞し、文学界にデビュー。2023年には「しをかくうま」で野間文芸新人賞を受賞している。芥川賞受賞作「東京都同情塔」におけるAI活用は、文学における新たな試みとして注目されている。

『第170回芥川賞・直木賞』受賞者会YouTube配信

広告