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2022.04.27
知財ニュース
MLB、サイン伝達の電子機器「ピッチコム」を許可―試合時間短縮・サイン盗み防止
米メジャーリーグ機構(MLB)は日本時間4月6日、2022年のレギュラーシーズンにおいて、ウェアラブル端末によりピッチャーとキャッチャー間のサイン伝達を電子化する機器「PitchCom(ピッチコム)」の使用を許可することを各球団に通達したことを発表した。
「ピッチコム」を使用することで、捕手が指を使ってサインを出す必要がなくなり、試合時間短縮やサイン盗み防止の効果が期待されている。捕手は前腕に「ピッチコム」を装着し、レシーバーを装着している投手や最大3人の野手に球種、守備位置などの指示を送ることができる。
「ピッチコム」は昨季のマイナーの試合やオープン戦で実験的に使用されていたが、2022年レギュラーシーズンの開幕を目前にして、公式戦での使用にメジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会からゴーサインが出され、各球団にはサイン伝達の手段として「ピッチコム」という選択肢が与えられることになった。
昨季の9イニングの試合の平均時間は3時間10分7秒で、過去最長だった。特に二塁に走者がいるときは、サインが読まれることを防ぐためにバッテリーが慎重になり、サインを切り替えて対応するケースが多い。「ピッチコム」の導入によってバッテリー間のコミュニケーションがスムーズになり、捕手がわざわざマウンドまで行ってサイン確認をする回数も減らせる可能性がある。
レイズのマイク・ズニーノ捕手は「これは本当に野球を変える可能性がある」とコメント。ロイヤルズのザック・グレインキー投手も「これまではずっと下を向いて捕手のサインを見ていたけれど、違いに慣れればいいだけ」と新たな技術の導入に前向きな姿勢を見せていたという。
「ピッチコム」の使用は強制ではなく、各球団や各選手に使用するか否かの選択権が与えられる。今季は各球団の捕手が「ピッチコム」を使用するシーンが多く見られそうだ。
Top Image : © MLB