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2022.01.24
知財ニュース
BMWが、ボディの色を一瞬で切り替えられるコンセプトカー「BMW iX Flow」をCES 2022で公開
BMWは2022年1月5日(米国時間)、外観の色が変化するコンセプトカー「BMW iX Flow」を、米国各地で毎年開催される世界最大の家電見本市「CES 2022」で世界初公開した。
BMW iX Flowは、E Ink社が開発した「E Ink(電子インク)」という電気泳動技術をベースにした構造となっており、電気刺激によって異なる色素を車の表面に付着させることができる特殊なラッピング素材で覆われている。前後左右方向に色を変化させたり、しまや斑点といった模様を作りながら変化させたりすることが可能だ。
本技術により、オーナーは自分の車のデザインを、黒と白、そしてグレーの3種類の中から気分や状況などに応じて瞬時にカスタマイズできるという。
この技術はAmazon Kindleのような電子書籍端末のディスプレイに採用されている技術をベースにしたもので、髪の毛の太さほどしかないマイクロカプセルを含んだコーティングで外装を覆い、このマイクロカプセルがマイナスの電気を持つ白色顔料と、プラスの電気を持つ黒色顔料を含んでおり、電界による刺激で白色または黒色の顔料が集まることで色合いを変える。
また、BMW iX Flowはデザイン以外のメリットもある。
車はボディカラーによって太陽熱の吸収率が異なるため、外装が黒ければ太陽熱を吸収して車内温度を高め、逆に白ければ太陽熱を反射するため、黒い外装色の時よりも車内温度は低くなる。エアコンによって消費するエネルギーを削減すれば、それに伴って車の燃料や電気の消費量も減少し、車全体の効率を高めることにつながる。
BMW iX Flowは、車好きなら一度は乗ってみたい次世代の車と言えるだろう。今後、市販車として販売されることを期待したい。
「BMW CES 22: The Ultimate Driving Machine Meets the Ultimate Digital Experience」ライブ映像
Top Image : © BMW