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2021.06.23
知財ニュース
VR空間で自在に解剖可能なソフト「BODY MAP」、医療系教育実習へ無償提供─「触覚」で実技習熟を支援
株式会社MAI JAPANは2021年6月1日より、VR解剖学ソフト「BODY MAP」の国内販売とレンタルを開始。また同日より、医療系教育機関への無償提供を期間限定で行うと発表した。無償提供により、新型コロナウイルスの影響で中止またはオンライン授業となっている、医学部や看護学部などの解剖学実習をサポートしていきたいという。
BODY MAPは、VR空間で表示される3Dの人体画像を用いて解剖操作を行うことができるソフトウェア。3D人体画像は、解剖学的正確さに定評のある『ネッター解剖学アトラス』をもとに、MRI・CTの画像と組み合わせて構築し、教科書ではイメージできない人体を表現している。
従来の解剖学実習は、専門家の動作や手順など既定教材を見るだけということが多かったが、BODY MAPは自分で操作が可能。筋肉や神経、臓器などの位置関係・走行の理解や、気になる部位の拡大・観察・切り出しなど、自由に行うことができる。
特徴的なのは、視覚で見せるだけでなく「触覚」が伴うこと。例えば注射針を刺すシミュレーションでは、VR上で針が骨にあたると手にしているコントローラーが反応、触覚でのフィードバックがある。シミュレーション用機能はカスタマイズが可能、手術用器具などでも設計できる。
BODY MAPのVR解剖実習は、オンラインで提供が可能。VR上で解剖関連問題の出題や習熟度把握もでき、教師と学生のコミュニケーション活性化にも寄与する。コロナ環境下での非対面式授業にも対応できるため、今回の無償提供に至った。無償提供の募集概要は、下記の通り。
■BODY MAP 医療系教育機関への無償提供の概要(以下引用)
<応募期間>2021年6月1日~7月30日
<募集機関数>20校
<貸出期間>8月1日から6か月
※貸出には一定審査あり
詳細情報はこちら
MAI(Medical Augmented Intelligence)は、医療用 VR ソリューションを開発・提供するメディカルテック企業で2016年に創業。アメリカ・台湾・ドイツに拠点を持つ。日本法人であるMAI JAPANは2021年6月に設立したばかりだ。
BODY MAPは、教育機関での学生の解剖実習サポートに加え、患者の術前のシミュレーションや研究活動、技術セミナーなどでの活用も想定。新たな解剖学教育・実技習熟の方法として、普及を目指していくという。
Top Image : ©Medical Augmented Intelligence