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2023.08.28
知財ニュース
ZOZO NEXT、オンラインで着用可能なデジタルファッションブランド「REVINAL」立ち上げ─米DRESSXで販売開始
ZOZOグループで新規事業の創出などを担うZOZO NEXTは8月17日、デジタルファッションブランド「REVINAL(リビナル)」を立ち上げ、オンラインで着用できるファッションアイテム10点の販売を開始すると発表した。米ロサンゼルス拠点のデジタルファッションプラットフォーム「DRESSX(ドレス・エックス)」で販売を行う。
「REVINAL」立ち上げのベースには、同社のバーチャルファッションプロジェクト「Project Drip」がある。「Drip」はZOZOテクノロジーズが手がけたバーチャルヒューマンで、3DやAI技術を用いて開発。プロジェクトではそれらの技術をベースに、個々人のバーチャルモデルの構築やバーチャル試着の実現などを目指してコンテンツを制作。ブランドとコラボしたイベントなども行っている。
Project Dripで制作したデジタルファッションアイテムに、多くの購入希望が寄せられたことから、「REVINAL」の立ち上げに至ったという。
環境負荷が少ない点も背景にある。ファッション業界の環境負荷が問題視される中、デジタルファッションアイテムの生産は、実際の衣服と比較してCO2の排出量が97%少ないという。環境負荷を減らしながら、ファッションを自由に楽しみたいというニーズを満たす方法としても期待されている。
「REVINAL」のブランド名は、「REAL(現実)」「VIRTUAL(仮想)」「LIMINAL(境界)」「REVIVAL(再生)」といったワードに由来している。現実空間のファッションの制約から逸脱し、バーチャルとリアルを交差・融合させながら、すべての人が自由にファッションを楽しみ、自己表現できる新たな未来を創造したいという想いが込められている。
アイテムの特徴は、テクスチャー(質感)の表現力の豊かさや、デザインのユニークさ、バーチャルの特性を活かした高品質な素材など。デジタルならではの自由度の高さを活かしつつ、「サイジング・カッティング・カラーリング」のバランスを取り、現実世界でも制作・着用可能なデザインに仕上げているという。
販売を行うDRESSXは、デジタルファッションアイテムやNFTファッションアイテムを取り扱うプラットフォーム。アプリを通じてARで試着でき、購入したアイテムはメタバースやSNS、ビデオ通話などで活用可能だ。ファッションアイテムを購入し、着用させたい自分の写真を送付すると、24時間以内にアイテムを着用した画像を入手できる。
DRESSXは、伝統的なファッション業界で10年以上務めた2人の創業者が、持続可能な未来のファッションの提供を目指し、2020年8月にローンチ。DRESSXを”メタクローゼット”と呼び、ファッションブランドがメタバースに参入するための目的地と位置付けている。
開始以来、Meta、Google、Robloxなどのテックカンパニーがパートナーシップを締結。過去には、バーバリーやドルチェ&ガッバーナなど大手ブランドと提携したイベントも行っている。
ZOZO NEXTは、今回の販売を通じて、デジタルファッションアイテムのニーズや可能性を探っていくという。「REVINAL」の今後の進展が期待される。
Top Image : © ZOZO NEXT, Inc.