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2021.08.30

知財ニュース

任天堂とコロプラの「白猫プロジェクト」特許権侵害訴訟で和解成立─和解金は33億円

白猫プロジェクト

任天堂とコロプラは8月4日、コロプラのスマートデバイス向けゲームアプリ「白猫プロジェクト」に関する特許権侵害訴訟について、和解が成立したと発表した。コロプラが和解金として任天堂に総額33億円を支払い、任天堂は訴えを取り下げる。

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本訴訟は、白猫プロジェクトの特許技術5件に特許権侵害があったとして、任天堂が2017年12月22日に提起したもの。特許権侵害に基づく損害賠償として44億円及び遅延損害金と、白猫プロジェクトの生産・使用等の差止めを請求していた。特許権侵害について任天堂は、2016年9月にコロプラに指摘。その後、1年以上に渡って話し合いを行っていたが交渉が決裂し、訴訟に至った。

ころぷら コロプラ公式サイトより一部抜粋



争点のメインとなったのは、白猫プロジェクトのアプリ操作で使うバーチャルタッチパネル。コロプラは2018年当初に公式サイトで、「任天堂の主張は不当であり、特許侵害の事実は一切無いもの」とし、「白猫プロジェクトのサービスが終了するということは断じてございません」と発表していた。しかし長引く訴訟を受けてか、2020年2月には「訴訟に関わる対応」として、タッチパネル操作の機能変更を行っている。



訴訟は3年以上に及んでいたが、2021年2月、任天堂は損害賠償請求金額を49億5,000万円へ変更、さらに4月には96億9,900万円に引上げを実施(いずれも別途遅延損害金の請求あり)。そして8月、和解が成立した。裁判所に支払う手数料は請求金額で決まるため、請求金額の増額はコスト増となり任天堂の強気な姿勢が伺えるが、同社は金額変更の理由を、提起からの時間経過等に伴う請求金額の追加と説明している。

和解条件については秘密保持義務により両社とも公表しない意向だが、コロプラは和解を選択した理由を「和解による早期解決を図ることが最善であると判断した」と説明。同社は今後も、白猫プロジェクトの提供を続けていくという。

任天堂のプレスリリースはこちら
コロプラ「和解による訴訟の解決及び特別損失の計上に関するお知らせ」

Top Image : © 株式会社 コロプラ

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