No.1123

2026.05.20

まるで植物のように太陽光からエネルギーをつくる建築

光合成建築

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概要

「光合成建築」とは、建物が植物のように太陽光からエネルギーをつくる建築。現在の日本では、エネルギーを大規模な発電所でつくり、各街へ供給している。しかし、防災面から見ても、これからはそれぞれの街で発電してその街の中で使うということが一般的になると考えられている。この建築は、廃棄される野菜や伐採樹木の葉による光合成を活用した光バイオ燃料電池が導入されている。これにより、窓や壁、屋根自体を燃料電池に置き換えることができ、効率的にエネルギーを生み出すことが可能になる。光バイオ燃料電池は摂南大学が開発する電池で、大林組と共同で植物から葉緑体の一部を取り出して光合成を行うパネルを検証しており、2022年の夏から実証実験を開始している。

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なぜできるのか?

光バイオ燃料電池を使用した建築

近年、環境に優しいエネルギーの需要が高まっており、従来の化石燃料に依存したエネルギー生成法から、環境問題をクリアできる新しいエネルギー生成法への転換が求められている。そのひとつとして注目されているのが、CO2を利用時に排出しない水素エネルギー。水素から安全にエネルギーを取り出すには、燃料電池を利用する方法が一般的だが、環境負荷やコストの高さが課題となっていることや、用いられる水素も天然ガス改質など化石燃料由来の方法で製造されるケースが多く、化石燃料への依存からは脱却できていなかった。摂南大学は、葉緑体の光合成を利用した光バイオ燃料電池の開発に取り組んでおり、これは廃棄される野菜の葉や伐採林の葉から葉緑体を取り出すことで、光合成反応を利用した発電を行う。これらの材料を用いた光バイオ燃料電池は、蛍光灯のような弱い光でも発電可能。インテリアや建築材料など、さまざまな用途への展開が考えらている。

壁・屋根・床・窓などをエネルギーに変換して発電に活用

光バイオ燃料電池は、半透明のアクリル容器に葉緑体の溶液を入れており、この容器をパネル型、チューブ型、ボウル型など、さまざまな形やサイズに変えることができる。壁・屋根・床・窓といった建築エレメントへの応用も検討されており、あらゆる空間を発電に活用することができる。つまり、窓や壁、屋根自体を燃料電池として活用する可能性があり、建築と発電を一体化する新たなエネルギー生成手法として期待されている。また、光合成が行えるような光が透過できる素材を使うため、美しい光が差し込む空間を生み出すことができ、採光性を保ちながら窓などにも利用しやすい。さらに、植物本来の緑色の建築で、自然環境や景観との調和も期待できる。電気のない山奥でも使うことができ、植物の少ない街中では、緑を身近に感じることができる。実用化にあたっては、メンテナンスのハードルがあり、燃料電池自体は長期間の利用を目指して研究が進められており、実験環境では発電は2カ月以上継続できるが、緑の空間を持続できなくなってしまうため、その手法を考えていく必要があるとしている。摂南大学と大林組は共同で植物から葉緑体の一部を取り出して光合成を行うパネルを検証しており、2022年の夏から実証実験を開始している。

「建築を建てる」という概念から、「建築を植える」という概念への移行

この研究の目的は、太陽光発電パネルや海上風力発電のように大きなエネルギーを生むことではなく、人間が生きるために植物を廃棄せざるを得ないのであれば、その廃棄植物からたとえ微量であってもエネルギーを生成して自然への負荷を抑え、酸素は自然へ還元すること。「建築を建てる」という概念から、いわば「建築を植える」という概念に移行して、緑との共生に少しでも寄与することを目指してもいる。

相性のいい産業分野

環境・エネルギー

植物のようにエネルギーを生み出すビルや住宅の建築で環境への配慮に貢献

住宅・不動産・建築

住宅地やショッピング施設などに展開することで街全体がエネルギーを生み出す環境の構築

アート・エンターテインメント

自然と建築を融合したアート展の展開

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © 株式会社 大林組