No.001
2019.11.22
超ハイレゾ・聴覚テレポートマシン
音響樽
概要
「音響樽」とは遠隔地にいる他者とも空間を共有するために開発された、96個のスピーカーを搭載する樽型音響再生装置。従来のサラウンドスピーカーやバイノーラルイヤホンとは異なるレベルで、三次元的な空間の雰囲気までを表現することが可能となる。
なにがすごいのか?
音の指向性だけでなく空間全体の雰囲気を表現できる
まるでテレポートしたように遠隔地の空間を共有できる
ある空間の「音の波」を全方位で収録し、再現できる
なぜ生まれたのか?
一般的な音響装置は、前後左右の水平面において、どの方向からどれくらいの強さの音が発生したのかを表現できるが、垂直方向の位置関係や空間自体の「雰囲気」を表現するには、まだまだ伸び代がある。音響樽は、この課題を鮮やかにクリアしており、次世代音響体験づくりの実験装置として期待されている。
妄想プロジェクト 妄想プロジェクト
オフィスに1台ほしい、超集中ポッド
5Gが到来しネットワークが高速化される時代。例えば世界中のコンサートホールと音響樽がライブで連携し、いつでもSランクの席で周りを気にせず作業に没頭できる。
また、三次元音響コンテンツは瞑想にも使える可能性がある。朝一番でこのポッドの中に入って10分間瞑想するだけで、整った状態で仕事につく、そんな未来がくるかもしれない。
実現事例 実現プロジェクト
HOSONO HOSONO
細野晴臣氏の50周年記念イベント「細野観光」にて、細野氏の楽曲を96ch化し「宇宙を旅してきたサウンド」として音響樽を用いた体験型の展示が実施された。
(企画制作:MUTEK JP + Konel + 東京電機大学)
TOKYO ISOLATION
知財図鑑×東京電機大学×クリエイティブ集団Konelとのコラボ作品として『TOKYO ISOLATIO』」をJ-WAVEが主催する日本最大級のデジタル・クリエイティブフェス「J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2021 supported by CHINTAI)」に出展。
この作品では、立体音響テクノロジーとクリエイターのコラボレーションにより「大都会の心地よい孤独」を実装した。人々が行き交う東京・六本木に96個のスピーカーを搭載した「音響樽」を設置。高精度の立体音響空間の中で日常から隔絶されていく没入感が体験できる。
なぜできるのか?
全方位スピーカーに囲まれる空間
樽型構造の音響樽の内側には、96個のスピーカーが全方位に散りばめられている。また、すべての面が平行にならないように、ずれて向き合っているためスピーカー同士の干渉が抑えられる設計になっている。
フラーレンマイク
80個のマイクを球体状に組み合わせたマイクにより、単にその場で鳴っている音を収録するのではなく、「三次元音場」として空間全体の波を収録。これが、空間の雰囲気を再現できる理由となっている。
VRとの組み合わせ
HMD(ヘッドマウントディスプレイ)をかけながら、仮想空間の中で三次元的に音の配置を行うための仕組みが用意されている。
2ch音源の96ch変換
現段階では、JSON等による変換の仕組みが用意されており、既存の2ch音源を96chに変換可能。さらに直感的に編集操作ができるように期待されている。
相性のいい産業分野
- アート・エンターテインメント
三次元没入型のコンテンツやライブ型コンテンツの開発
- メディア・コミュニケーション
5Gとの組み合わせによるリアルタイムな空間共有
- 生活・文化
三次元の音波を自在に組み合わせることによる、瞑想コンテンツの開発
- 住宅・不動産・建築
未建設の建築物における音響シミュレーション
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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