No.1121

2026.05.14

競技用義足で培ったカーボン技術を採用したフットギアコンセプトモデル

MOBILARIA β(モビラリア ベータ)

mizuno top

概要

「MOBILARIA β(モビラリア ベータ)」とは、ミズノが開発したCFRP(炭素繊維強化プラスチック)板バネフットギアコンセプトモデル。競技用義足の板バネ研究開発で培ったカーボン技術を採用し、アッパー部とブレード部にはシューズ作りのノウハウを生かしている。ギアと脚が一体となり、下肢の運動メカニズムを変化させることで、より効率的な走行を実現することを目指したフットギア。近年、テクノロジーの進化により「人間拡張技術」が注目されている。スポーツ業界における「カーボン義足」や「厚底シューズのカーボンプレート」などもその技術の一例で、着用することで失った能力を補い、現状の身体能力を飛躍的に高めることができる。

sub1

sub2

なぜできるのか?

シューズ作りのノウハウを活かしたアッパー部とブレード部

ブレード部には、競技用義足の板バネ研究開発で培ったカーボン技術を採用。CFRP板バネは、力が加わる接地時にたわみ、バネ特性を発揮する。このバネ特性に合った走行動作によって、下肢が効率良くパワーを発揮することを目指している。アッパー部には、陸上スパイクから着想を得た構造を採用。かかと部分と連動した靴ひもを調整することで、かかとをしっかりとホールドする。このホールドにより、フットギアと脚が一体となりCFRP板バネを効率的に使うことができる。

「MIZUNO ENGINE」での開発による大幅な期間短縮や開発費抑制を実現

CFRP板バネフットギアの研究開発は、イノベーションセンター「MIZUNO ENGINE」で行われた。「MIZUNO ENGINE」は2022年11月に稼働が始まり、研究開発の基本となる「はかる」「つくる」「ためす」ための特殊設備を1カ所に集結させた施設。1カ所に集めることで、開発のスピードアップとともに、1906年の創業以来培ってきたシューズ、アパレル、用具、それぞれの多様な知見や技術を持った研究開発者が、計測設備や試作設備を共用することで交流し、新たなアイデアをつくり出している。3Dプリンターなどの新しい技術を用い、この最新の機器が揃うイノベーションセンターで研究開発に取り組むことで、試作における大幅な期間短縮や開発費抑制を実現。本施設内でCFRP板バネ型を製作することで、試作工期を約93%短縮した。通常の納期目安が28日だが、3Dプリンターを使用することで2日に短縮することができた。また、試作開発費も約8分の1で実現した。

カーデザイナー山本卓身氏と共創したデザイン開発

デザインは、カーデザイナーの山本卓身氏と共創して開発。山本氏は、「デザインでより良い世界を。」をモットーに、スプーンから空飛ぶ自動車、さらには船舶に至るまで幅広いプロダクトデザインを手掛けている。今回は、「履き物はモビリティの原点」と捉え、CFRP板バネフットギアの開発においてコンセプトの立案からデザインまで、共に新しい価値を創造しコンセプトモデルの共創が実現した。

ミズノの考える人間拡張技術

近年、テクノロジーの進化により人間の能力を進化、増強させる技術や考え方として「人間拡張」が注目されている。ミズノは、人間拡張技術の社会実装に向けて、より速く、より強く、より高くといったパフォーマンス向上を可能にする領域や、自らの身体を使った未来のモビリティ(移動手段)を開発する領域などにチャレンジしている。健常者だけでなく、シニアや障がい者、妊婦、子どもなど、全ての人が自らの身体を自由自在に操り、今までできなかったことができるようになることで、誰もが前向きに「やりたいこと、やろう!」と思える活気ある社会を、ミズノのスポーツテクノロジーと人間拡張技術の融合を通じて実現を目指している。

相性のいい産業分野

スポーツ

フットギアを使用した新たなスポーツ分野の展開

医療・福祉

足の不自由な人の移動手段として展開

流通・モビリティ

自転車やバイクと同じ新たな移動手段としての活用

IT・通信

履くだけで歩数や健康状態などが把握できるフットギアの開発

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。

Top Image : © ミズノ 株式会社