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2023.06.15
知財ニュース
生成AIが位置情報や天候から写真を生成するカメラ「Paragraphica」が登場
デンマーク出身のデザイナー・Bjørn Karmann氏は、画像生成AIを組み合わせ、撮影場所の位置情報などからAIが写真を生成するカメラ「Paragraphica」を製作した。
「Paragraphica」は、撮影場所のGPS情報や天気、日時などの情報をもとにAIが写真を生成するカメラ。シャッターを押すとプロンプト(命令文)がAIに送信され、生成された画像はカメラ背面のディスプレイに表示される。
カメラ背面のディスプレイはタッチスクリーンで、位置情報や天気のほか、温度、時間帯、付近にある建物などを記載したプロンプトが表示される。また、カメラ上部には設定を調整できる3つのダイヤルがあり、カメラがデータを検索する際の半径やプロンプトに対するAI処理の忠実度などが調節できる。
また、「Paragraphica」には、同氏がインスピレーションを受けたというホシバナモグラの鼻をイメージした赤いオブジェが付属している。この動物は、耳と目が退化しており、鼻先のアイマー器官と呼ばれる感覚器官でかすかな振動を察知する。
なお、ハードウェアは、3Dプリント製のカメラ型筐体に「Raspberry Pi 4」(シングルボードコンピューター)とタッチ液晶から構成され、ソフトウェアはIoTを活用したプロトタイピングツール「Noodl」と「Python」のプログラムで開発。画像生成には「Stable Diffusion」のAPIが活用されている。
「Paragraphica」は「AIが見ている風景」を写真に反映できるという同氏。また、「Paragraphica」は携行できる物理版に加え、Webブラウザで動く仮想版も公開している。
Top Image : © Bjørn Karmann