News

2022.07.26

知財ニュース

京都フュージョニアリング、世界初の核融合発電試験プラント「UNITY(ユニティ)」を建設へ

02 Right

核融合特殊プラント機器の開発に特化した京都大学発のエンジニアリング企業・京都フュージョニアリング株式会社は、世界で初めて核融合発電システムによる発電を試験するプラント「UNITY(ユニティ)」の基本設計を完了し、2024年末の発電試験開始に向けた建設プロジェクトに着手したことを発表した。

これまで、核融合発電システムの試験施設や核融合による発電可能性の実証事例はなく、「UNITY」は核融合プラントの主要な機器の試験施設として、また核融合発電の総合的な技術実証施設として、世界に先駆けた開発計画となる。

核融合は、世界のエネルギー問題を根本的に解決し得る究極のエネルギー源として各国で長年研究が行われており、米英では2040年までの核融合による発電計画が発表されるなど、実用化に向けた動きが加速している。ところが、プラズマ領域の研究開発は進む一方で、核融合発電の実用化に不可欠な熱取り出しなどの発電機器の開発やプラント全体のエンジニアリング技術は未だ途上段階にあった。

同社では、実用化に不可欠な一連の特殊プラント機器群においての世界でも有数な技術力を活かし、「核融合炉からの熱取り出し」並びに「発電」に用いられる一連の特殊機器を核融合発電所の実環境に近い条件下で統合的に開発試験することを目的として、本プラント「UNITY」を設計。核融合炉内と同等の高温・強磁場の環境を放射性物質を用いること無く構築することで、核的事故や放射性物質漏洩の危険性もなく、一連の発電システムを実証できるという。

tec-03-1-2048x1205

現在はその基本設計を終え、国内の複数のパートナー企業との協業のもと建設段階に入っており、2023年3月までにプラントの中核となる液体金属ループの一次建設を完工し、2024年末に世界初となる発電実証試験の開始を予定しているそう。

同社では、日本の有する高度なものづくり力を結集し、日本が世界に先駆けた核融合炉における発電技術を実証することで、国内産業の発展に貢献していくとしている。

ニュース原文はこちら

京都フュージョニアリング 株式会社

Top Image : ©︎ 京都フュージョニアリング 株式会社

広告