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2025.09.30

知財ニュース

ジョージア工科大学、見た目に配慮されたロボット盲導犬の開発を進行中

Robotic Seeing Eye Dog 86A0019-Enhanced-NR

ジョージア工科大学は、視覚障害者のためのロボット盲導犬の開発を行っている。

盲導犬の訓練には最大5万ドル(約740万円)の費用がかかり、盲導犬は10年未満で交代が必要になることもある。また、盲導犬の世話や食事管理も必要だ。

研究チームによると、好まれるロボット盲導犬の共通認識として、「本物の犬に似ていて、親しみやすい見た目」、「ベストなど、盲導犬であることが明確にわかるものがある」、「GPSとBluetooth接続を内蔵」、「音声コマンドなどの制御オプション」、「柔らかい質感」、「バッテリー寿命が長く、自己充電機能を装備している」が挙げられている。

Robotic Seeing Eye Dog 86A0019-Enhanced-NR

また、可愛すぎる見た目は注目を集めすぎるので、あまり望まれていないという声があるという。また、小さな子供が犬と遊びたがったり、犬が嫌いだったり、怖がったりする人がいたりするなど盲導犬を連れてどこかへ行くことに、多くの人が問題を抱えている。

例として、犬が散歩中に出す音の大きさが挙げられるが、市販のロボットの多くが出すガチャガチャという音は、室内空間に騒音を増幅させ、騒音を乱す可能性がある。この騒音を打ち消すために、研究チームはロボット盲導犬がより静かに移動できるアルゴリズムを開発した。

Robotic Dog Story-01-20- ロボット盲導犬のプロトタイプ

ロボット盲導犬は、360度のカメラシステム、障害物や危険を検知するコンピュータービジョンアルゴリズム、助けを求める声を認識する音声認識機能を構想している。SOS機能は、飼い主の要請や反応がない場合に自動的に911番に通報することも可能だとしている。

また、この構想に取り組むコンピュータサイエンスの博士課程の学生であるTaery Kim氏は、ロボットが突然停止したり、飼い主の指示を無視したりした場合、進路上に危険を検知していることを飼い主に伝えることなど、飼い主とのコミュニケーションを強化するための説明機能も必要だと述べている。

開発を始めた頃は、連れて行ってほしい目的地を指示するだけで、あとは連れて行ってくれるだろうと思っていたが、「ここを左」、「前に進め」、「止まれ」といった道順を指示する必要があることが判明したという。

費用については、ロボット盲導犬を大規模に製造するには当初は費用がかかるが、ロボットの寿命は長いため、最終的には費用の埋め合わせができると考えられている。

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Top Image : © ジョージア工科大学

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