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2021.10.28

知財ニュース

NEC、「歩行センシング・ウェルネスソリューション」を10月より法人へ展開─日常歩行データの質を測り健康サポート

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NECは、センサ付のインソールで「歩容(≒歩行の質)」を計測・分析できるシステム「歩行センシング・ウェルネスソリューション」を、10月より法人向けに提供開始した。顧客ターゲットとしては、病院や介護事業者、靴メーカーなどを想定している。NECは本ソリューションの提供により、患者・高齢者の日常歩行データの収集や、靴メーカーの商品開発などに貢献していくという。

歩行センシング・ウェルネスソリューションでは、NECが開発した「小型歩行分析センサ」搭載のインソールを靴に入れて歩き、歩行状態を計測する。従来の歩数計とは異なり、歩行速度・歩幅・接地角度・離地角度・足上げ高さ・足の外回し距離など、日常歩行の状態をデータ化する。計測した歩行データは専用のアプリやダッシュボードで確認可能で、歩行の質を分析できる。

センサは、消費電力を抑える設計となっており、歩行時のみ起動・検知を行う。そのため、電池交換や充電の手間を減らすことができるという。

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歩行センシング・ウェルネスソリューションは、例えば病院や介護施設ではリハビリ時や施術前後に使用することで、歩行状態の確認やデータに基づいた術後経過の可視化と改善などに活用できる。また、中長期的な歩行状態のデータ収集により、健康増進に向けた研究などへも活用できる。

病院

靴メーカーでは、製品開発や販売・マーケティング、購入後のフォローアップなどで活用を想定。例えば、試作品の着用データを収集して性能測定する、靴の機能性を宣伝する裏付けデータとして活用する、顧客ごとの使用状況把握をして商品提案を行うなど。リアルな歩行データの活用で、顧客満足度の向上につなげるという。

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法人展開に先立ちNECは、個人向けの歩行センシングインソール「A-RROWG(アローグ)」を製品化し、事業展開している。2019年頃から事業化に着手し、同年11月には応援購入サービス「Makuake」を通じて予約販売を開始。好評を得て、2021年10月よりMakuake ストアで一般販売を行っている。

今回の法人向け歩行センシング・ウェルネスソリューションの展開にあたっては、リアルタイムで歩行状態を計測できるセンサを新たに開発。日常計測に加え、特定の場面での歩行状態の計測も可能としている。

さらにNECは新技術として、センサで収集した「歩容」データから、足圧中心移動指数や拇趾関節の歪み(第一中足骨関節角度)といった、足の健康状態を示す指標を推定する独自の歩容分析AI技術を開発。今後はさらに、歩行を通じた健康生活の推進や、健康寿命を延ばすサポートを行っていくという。

プレスリリースはこちら
「歩行センシング・ウェルネスソリューション」公式サイト

Top Image : © NEC 日本電気 株式会社

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