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2023.09.28

知財ニュース

プリクラ撮影してNFT化するプリクラ機「Wink Photo Booth」登場─台湾の音楽家が開発、クリエイターに利益還元

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1995年に登場し、日本の若者世代を中心に人気を博してきたプリント倶楽部(プリクラ)。その様態は時代に合わせて変化し、絵を描ける、写真画像を“盛れる”、動画撮影もできるなど、さまざまなプリクラ機が登場。進化を続けるプリクラは今もなお、日本、韓国、台湾など国内外で支持を得ている。

そんな中、台湾で新たなプリクラ機を展開している「Wink Photo」が注目を集めている。同社の「Wink Photo Booth」は、画像撮影後にNFTを生成し、マーケットプレイスでの取引まで可能なプリクラ機。台湾のオルタナティブロックバンド「老猫偵探社」のリードボーカル謝慶勲氏が手がけている。

NFT化という、従来のプリクラとは一線を画す仕組みが注目され、施設設置のほか、市場や映画祭、音楽フェスなどに出展。美容方面に注力したプリクラとは差別化を図るプロモーション展開で、芸術文化施設にも設置している。

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「Wink Photo Booth」の使い方は簡単。通常通りプリクラを撮影した後、プリクラ機に表示されるQRコードをスマートフォンなどで読み込み、数回の操作を行って約60秒待つと、NFTが生成される。フォトフレームは、アーティストによるイラストやミュージシャンの写真画像など、さまざま提供している。

「MetaMask」などの仮想通貨ウォレットとの連携機能もあるが、ウォレットを持たないユーザーでも利用可能。Googleなどのアカウントを通じて登録できる。生成したNFTは、永久保管またはNFTマーケットプレイス「OpenSea」で取引可能だ。ブロックチェーンに記録する際のガス代は、現時点ではかからない。画像をNFT化する際の敷居を下げるためという。

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Wink Photoを設立した謝慶勲氏は、テクノロジー企業での勤務経験を持ち、機械の組み立てに精通していた。2021年頃から世界的に活発化したNFTの取引を行う中で、作品をデジタル化することで制作リソースの無駄を削減しながら、NFTを通じたファンとの交流もできると発見。エンジニアの友人の協力を得ながら、「Wink Photo Booth」を構築し、2022年あたりから展開してきた。

プリクラのNFT化で目指しているのは、音楽やアートを迅速・大規模に宣伝しサポートすること。プリクラ機では、ユーザーがフレームを選択するとクリエイター紹介を表示。またその売上の一部をクリエイターに還元する。それにより、クリエイターが認知度・人気を高めながら、金銭的利益も得られる仕組みにしている。

「Wink Photo Booth」は現在、台湾での設置がメインで、文化・アート・音楽を好む人たちをターゲットに展開している。だが、テック系メディアのBRIDGEによると、日本へ輸出することが明らかになったという。設置時期や場所などは明らかにされていないが、近々、これまでにないプリクラ体験ができそうだ。

「Wink Photo」公式 Facebook/Instagram/OpenSea
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Top Image : © Wink Photo

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