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2021.12.30
知財ニュース
大川組と古河電工、Luup協力で電動キックボードのワイヤレス充電ポートを開発―2025年の製品化目指す
大川組と古河電気工業は12月7日、電動キックボードのワイヤレス充電ポートシステムを共同開発し、実証実験を開始したことを発表した。電動マイクロモビリティのシェアリングサービスを提供するLuupの協力を得て開発しており、2025年の製品化を目指す。
現在普及している電動キックボードのシェアリングシステムでは、現行、人が巡回してキックボードの充電池を交換しているが、交換用に多くの予備電池を用意するほか、充電池の充電・交換作業に多くの労力と人件費がかかる。こうした問題をなくすために電池を大容量化して手間を省こうとすれば、今度は機体が重くなり価格も上がり、燃費も下がってしまう。
ワイヤレス充電システムであれば、送電装置の上に機体を置くだけで充電が始まるため、充電管理にかかる運用コストを縮減できるほか、交換用の予備電池を大幅に削減できる。また電池搭載量を低減できるため、機体コストを削減でき、軽量化により燃費(電費)が向上する。
本システムは、古川電気工業の樹脂製ケーブルトラフ(ケーブル敷設用のU字溝)「グリーントラフ」に収めた送電装置、受電機を搭載したキックボード、電源ボックスで構成されている。充電には充電中に金属異物を加熱しにくい電界結合方式を採用して安全性を確保した。
今後、2022年3月まで大林組技術研究所で充電と走行の実証実験を実施する。開発したシステムの実証を重ね、利用者や運営者のニーズに対応した充電システムやインフラの研究、改善を進めるとともに、2025年度の製品化を目指す。
Top Image :© 大林組技術研究所