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2025.10.21
知財ニュース
デジタル庁がOpenAIと戦略連携、行政にAI導入モデル検討

OpenAIは10月2日、日本政府のデジタル庁と連携し、生成AIを安全かつ効果的に活用して行政サービスの高度化を図る戦略的協力に向けた取り組みを開始すると発表した。この連携では、公共分野における生成AIの活用モデルを共同で検討し、行政を含めた社会全体における革新的なユースケースの創出を目指す。
デジタル庁によると、デジタル庁職員が利用する生成AI利用環境「源内(げんない)」で、OpenAIが提供する最先端の大規模言語モデル(LLM)を活用したサービスを新たにラインナップに追加し、職員が業務において直接利用できるようにする方針を決定した。デジタル庁は、現在、ガバメントAIの具体化に向けて、源内の各府省庁への展開を進めており、情報システムに関するセキュリティを適切に確保した上で、源内を利用する府省庁が当該サービスを業務で活用できるように取り組んでいく。
また、デジタル庁とOpenAIは、行政の業務効率化や公務員の働き方改革等を推進するため、行政機関向けの生成AIアプリケーションの開発と利用実証の協力の可能性を検討するとしている。
OpenAIは日本政府の方針に基づき、ISMAP認証の取得をはじめとする、安全・安心なガバメントAIの実現に資する取り組みを前向きに検討していくとのこと。さらに、同社はデジタル庁と「広島AIプロセス包括的政策枠組み」についての方針を共有し、OpenAIは民間の立場から推進を支援する方針なのだという。
「広島AIプロセス包括的政策枠組み」とは、安全、安心で信頼できる高度なAIシステムの普及を目的とした指針と行動規範からなる初の国際的政策枠組みだ。アジア諸国や新興エコノミーを含むG7を超えた政府、民間セクター、学術界、市民社会等、多様な主体に拡大し、AIに関する包摂的な国際ガバナンスの形成が促進されることで、世界中の人々が安全・安心・信頼できるAIを利用できるようにする方針とのこと。
OpenAIは、今後も安全性・透明性・国際協調を最優先に、日本政府・自治体・教育機関・産業界・ユーザーとのパートナーシップを強化し、持続可能で信頼性の高い生成AIの社会実装に貢献していくとしている。
Top Image : © OpenAI