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2024.02.13

知財ニュース

ZOZOSUIT®がリンパ浮腫四肢測定に有用か─ZOZOと有明病院の共同研究、がん術後のむくみ発見に貢献

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株式会社ZOZOは、公益財団法人がん研究会有明病院との共同研究により、ZOZOSUIT®ががん術後のリンパ浮腫の評価システムとして有用である可能性を検証中。同デバイスを用いた四肢周径測定が、リンパ浮腫の評価システムとして有用である可能性が示唆された。

同社は、開発した3D計測用ボディスーツZOZOSUIT®と検証用に開発したリンパ浮腫専用のスマートフォンアプリを用いて、がん術後の二次性リンパ浮腫患者(ISL分類I~IIb期)の四肢周径測定が可能であるか検討を行った。結果、ZOZOSUIT®と検証用に開発したリンパ浮腫専用のスマートフォンアプリを用いた四肢周径測定が、リンパ浮腫の評価システムとして有用である可能性が示唆されたという。


被験者はZOZOSUIT®を装着した状態で、1.5m離した位置に設置したスマートフォンのアプリの指示に従い、30°ずつ身体の向きを変えていき、12枚の写真を撮影する。


撮像した12枚の写真からアプリ内で自動的に体表の3Dモデルが生成され、モデルから取得したリンパ浮腫診療で重要な測定点の周径測定値を抽出。同システムを用いた方法の反復測定の精度検証や、従来のリンパ浮腫治療従事者による手計測との周径測定値や計測時間の比較を実施した。


検証結果は、反復測定における全測定点の平均誤差が10mm未満で、従来の測定方法との平均絶対誤差は概ね20mm未満。さらに、同システムによる測定時間は手測定に比べて短縮された。その結果、同システムは、精度が高く、短時間で簡易に測定できるため、リンパ浮腫の評価システムとして有用である可能性が示唆されたという。

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日本でも推定15万人以上の発症者がいると言われている「リンパ浮腫」の重症化を防ぐためには、早期発見と早期かつ適切な介入が重要。しかし、患者数に対してリンパ浮腫を診察可能な施設は少なく、本来介入されるべき早期例や軽症例のリンパ浮腫患者に医療が行き届いていない事が問題視されてきた。

今回、ZOZOSUIT®を用いた方法がリンパ浮腫の評価システムとして有用である可能性が示唆されたことはもちろん、同技術を応用することで、検査者なしに自宅で繰り返しリンパ浮腫の治療効果判定、早期発見、早期介入を可能にする新規診断ツールの開発につながることが期待されている。

今回の研究成果は、Annual meeting of American Society of Reconstructive Microsurgery(米国再建マイクロサージャリー学会)(1月12日〜1月16日)で発表された。

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3D計測用ボディースーツ「ZOZOSUIT 2」

Top Image : © 株式会社 ZOZO

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