News

2021.10.13

知財ニュース

コーヒー豆を使わないサステイナブルなコーヒー ─アメリカのスタートアップCompound Foodsが開発

gettyimages-650532751-2048x2048

2020年に創業されたアメリカのスタートアップCompound Foodsが、コーヒー豆を使わないサステイナブルなコーヒーを開発した。

コーヒー豆の生産は温室効果ガスの排出量が多く、生態系が多様な熱帯林の伐採の原因にもなっているだけでなく、カップ1杯のコーヒーを作るために多くの水が消費されるなど、環境への負荷が問題視されている。また、気温の上昇や不規則な降雨、害虫の増加からコーヒー豆の収穫量は年々減少しており、同じ産地でこれまでと同量の収穫はできず、さらに品質も悪くなっているという。現在コーヒー豆を栽培している農地の50%が20年後には使えなくなるとの見方も出ている。

Compound Foodsでは持続可能なコーヒーを作るために、食品科学と発酵技術、そして持続可能な方法で育てられた微生物を利用したコーヒーの製造方法を開発した。微生物からコーヒーに欠かせないフレーバーとアロマを作り出しているという。この方法では炭素の排出量を従来のコーヒーの製造方法に比べて90%削減するほか、大量の水を使うこともなく、さらにはカフェイン量の少ないコーヒーを作ることも可能。現在は、コスタリカやブラジルなど、産地特有の味や香りを再現したコーヒーを開発しているという。

Compound Foodsは530万ドル(約5億8000万円)の資金調達を発表。今後は調達した資金をもとに、商品の改良とブランドの拡張を行っていくという。コーヒーを別の方法で作り、将来は火星でも飲めるようにしたいとCEOのマリセル・センツ氏は語っている。

公式HPはこちら

Top Image : © Getty Images

広告