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2025.09.01
知財ニュース
GoogleとNASA、宇宙で診療できるAI医療アシスタントを発表―宇宙飛行士の健康をサポート

GoogleとNASAは共同で「Crew Medical Officer Digital Assistant」(CMO-DA)と呼ばれる自動化された臨床意思決定支援システム(CDSS)の概念実証を共同で実施したと発表した。
NASAは、再度の月面着陸を目指すアルテミス計画を皮切りに、有人宇宙飛行の新時代に乗り出している。NASAのミッションが宇宙の奥深くまで進むにつれて、宇宙ベースの医療を通じてクルーの健康をサポートすることがますます重要になっている。
GoogleとNASAは、この問題に対処するため、「Crew Medical Officer Digital Assistant」(CMO-DA)と呼ばれる自動化された臨床意思決定支援システム(CDSS)の概念実証を共同で実施した。
「Crew Medical Officer Digital Assistant」(CMO-DA)は、長期の宇宙ミッションで宇宙飛行士の医療を支援するために設計されたデジタルアシスタントツールだ。AIを活用し、宇宙飛行士が地球の医療専門家と直接連絡を取れない場合に、症状を自律的に診断して治療することができる。このAIシステムは宇宙飛行に関する文献でトレーニングされており、最先端の自然言語処理と機械学習技術を使用して、クルーの健康状態とパフォーマンスをリアルタイムで分析する。
幅広い医療シナリオでCMO-DAをテストし、初期の結果では、報告された症状に基づいて信頼できる診断を行う可能性が示されたのだという。GoogleとNASAは現在、医師と協力してモデルのテストと改良を行っており、将来の宇宙探査ミッションでクルーの健康とパフォーマンスを自律的に向上させることを目指している。
このシステムは、宇宙探査を支援するだけでなく、最も遠隔で過酷な環境でも必要な治療を提供できるようにすることを目的としている。また、宇宙ミッションの推進に役立つだけでなく、遠隔地で質の高い医療を早期に受けられるようにすることで、地球上でも役立つ可能性がある。
Top Image : © Google