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2023.01.30

知財ニュース

サントリーが世界初、飲料中に液体で3D描画できるフードプリンター「LiDR(Liquid Drawing)」を発表

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サントリーは、世界初の技術となる、液体中に3Dパターンで描画できるフードプリンター「LiDR (Liquid Drawing)」を、米国ラスベガスで開催された世界最大規模のテクノロジーの見本市「CES 2023」で初公開した。

「LiDR」は、飲料をキャンバスとして、文字やイラスト、3Dパターンを液体中に描画飲料で描き出せる技術。飲料を通じたメッセージの伝達や、同じデザインの飲料を飲む楽しみの共有など、飲料を起点としたコミュニケーションと演出の可能性の拡張を目指している。

発表した会場では、ロボットアームの先端に取り付けたノズルからイカ墨を吐出し、水道水に増粘剤と砂糖を加えてとろみをつけた液体の中に、ダイヤモンド形状を3Dで描画するデモを実施した。デザインされた液体は飲むことができ、描いた形状は1〜2日間保持するという。

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「LiDR」は、6軸ロボットアームをベースに、描画用飲料を吐出するノズル位置、ノズル速度、吐出流量を柔軟に制御できるシリンジ機構により、描画プロセスを確立している。キャンバスとなる飲料中で描画用飲料が流れるリスクや、既に描画された描画用飲料が描画中のノズルと相互作用するリスクを低減させ、安定した流体3Dパターンの構築が可能となっている。なお使う原料は食品由来で、余剰・廃棄部分の食品素材の再利用も可能という。

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同社では、「LiDR」の可能性を更に拡張するため、飲料描画装置の開発や飲料アプリケーションの開発におけるビジネスパートナーを募集中。具体的な共同開発項目は以下の通り。

■共同開発項目

・産業用飲料描画装置

ビジネスパートナーのフードプリンタや飲料ディスペンサ、医療用分注機などの技術とSICの飲料描画の要素技術やノウハウを合わせ、ノズル運動と飲料吐出が制御された食品機材グレードの飲料描画装置を開発する。

・食用シリンジ
ビジネスパートナーの食品機材グレードのノズル素材を用いて、耐久性があり、メンテナンスが容易なシリンジを開発し、「LiDR」のコア部材とする。

・アップサイクル
飲料描画に適した材料物性を目標に、未利用あるいは廃棄予定の食材を適切に微粉末処理を行い、インク飲料化する技術を開発する。

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サントリーは今後も、人体と環境にも優しいテクノロジーで誕生日やスポーツ観戦、パーティー、結婚式など日常生活の様々な場面で楽しみを提供していくとしている。

「LiDR」特設サイト

「世界最大級の家電見本市「CES 2023」でサントリーグループが示した未来の可能性」(レポート記事)

Top Image : © サントリーホールディングス 株式会社

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