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2023.09.22

知財ニュース

コカ・コーラ、西暦3000年をイメージした「未来のコーラ」をAIと共同開発─未来の画像を生成するアプリも同時展開

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米The Coca-Cola Company(コカ・コーラ社)は現地時間9月12日、西暦3000年をイメージして人間とAIで共同開発した「Y3000」を発表した。シュガーフリーの「Coca‑Cola Y3000 Zero Sugar」とオリジナルの「Coca-Cola Y3000」の2種類のフレーバーを展開。前者は、アメリカ、カナダ、中国、ヨーロッパ、アフリカの一部地域で、後者はアメリカとカナダで、いずれも期間限定で販売する。

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Coca‑Cola Y3000 Zero Sugarは、ファンが感情、願望、色、フレーバーなどを通じてどのように未来を描くかという理解をもとに、人間とAIの共同作業で開発。世界中のファンの視点とAIが収集した洞察の組み合わせにより、味のインスピレーションを得たという。

コカ・コーラ社のグローバル戦略担当シニアディレクターであるOana Vlad氏は、プレスリリースの中で、3000年になってもコカ・コーラが現在と同じく爽やかであり続けることを願っていると述べ、「未来のコーラがどのような味になるのか、そしてコーラを飲むとどのような体験ができるのかというコンセプトを探求することに挑戦」したとコメント。そのY3000の味を、同社のInstagramでは「明るくフルーティーな味わい」と表現している。

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ビジュアル制作にもAIを用いている。液体がモーフィング(画像を別の画像に変形)しながら進化していくデザインをAIと共同制作。形や色の変化によるポジティブな未来を表しているという。

また、パッケージのQRコードから、「Coca-Cola Creations Hub」提供の写真をカスタムできるアプリ「Y3000 AI Cam」を利用できるという仕掛けもある。消費者がスマートフォンなどでQRコードをスキャンしてY3000 AI Camにアクセスし、アプリ上で写真撮影すると、現在の画像をもとに西暦3000年の景色が生成される。画像生成には、生成AIの「Stable Diffusion」を用いている。日本では現時点でY3000の販売予定はないが、Web上のQRコードから、Y3000 AI Camを利用できる。

この技術は、ファッションブランド「AMBUSH」とのコラボレーションも予定。未来画像からインスピレーションを得た衣服やアクセサリーなどを、2023年秋頃からオンライン販売していくという。

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Vlad氏はリリースの最後で、コカ・コーラ社は、2022年に拡張現実に傾倒して以来、AIを取り入れて会社の能力を構築し続けていると評価。そうした施策により、「これまでコカ・コーラブランドを意識したことがなかったような人たちとのエンゲージメントを深める、新たな道筋を作りました」と述べている。今後の展開が期待される。

ニュースリリースはこちら
「Coca-Cola Y3000 AI Cam」QRコード掲載サイト
「Coca-Cola Creations Hub」公式サイト

Top Image : © The Coca‑Cola Company

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