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2024.06.20

知財ニュース

ソニー、報道機関向けにデジタル署名機能付きカメラを提供―カメラアップデートでフェイク画像対策強化

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ソニーは、真正性カメラソリューションやカメラの撮影機能とワークフローを改善するソフトウェアアップデートを提供する。対象は、フルサイズミラーレス一眼カメラ『α1』、『α7S III』、『α7 IV』で、2024年4月以降からは『α9 III』も対応予定。

同アップデートは、画像の真正性を検証する真正性カメラソリューションを提供し、クリエイターや社会をフェイク画像から守る業界の取り組みに貢献するもの。提供は一部の報道機関から開始し、順次拡大していくという。

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C2PA規格に則り、『α1』、『α9 III』、『α7S III』、『α7 IV』で撮影した画像に、来歴情報とカメラで撮影されたことの真正性情報が、カメラ内デジタル署名として埋め込まれる。デジタル署名は、ソニーの真正性カメラソリューションにより、撮影時にリアルタイムで画像に付与されるという。

また、デジタル署名では、「デジタル出生証明書」が作成され、カメラで撮影したことを後からイメージ検証サイトで検証することが可能。これにより報道機関では、C2PA準拠の編集ソフトウェアで画像の編集作業を重ねても、編集来歴情報とカメラで撮影されたことの真正性情報を維持できるようになる。

さらに同社独自のセンサー内技術によって実現する、3D深度情報を含むメタデータも含まれている。撮影された画像が実際の3Dの物体か、画像やビデオを撮影した画像かを示すことができ、報道機関の信頼性をより高められるという。

また同社では、クリエイターから要望が多かった撮影機能の向上と撮影後のワークフローの改善も行う。

具体的には、リレー再生や動画時のブリージング補正機能、ファイル転送プロトコル(FTP)の転送操作性向上などに対応するほか、スマートフォンを介さずカメラから画像や動画を直接アップロード可能なクラウドアップロードなど、「Creators' Cloud」のクラウドサービス やアプリケーションにも対応していくという。

同社は昨年、改ざんされた画像やAIが生成したフェイク画像のまん延などの課題に対処するカメラ技術開発の取り組みを発表。画像コンテンツの信頼性が重要な報道の現場では特に深刻であり、業界全体で対策を講じる必要がある課題だと注視されてきた。

同社では、「イメージングのリーディングカンパニーとして、報道機関を含むコンテンツ制作者の声を聴き、商品開発に反映することを重視している。クリエイターがソニー製カメラの長所を最大限に活用できるよう、カメラの使いやすさを向上し、今後も必要なソフトウェアアップデートを実施していく」としている。

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Top Image : © ソニー 株式会社

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