News
2024.09.10
知財ニュース
感覚過敏対応「やさしいワイシャツ」がキッズデザイン賞を受賞―カンコー学生服とクリスタルロードが共同開発
株式会社クリスタルロードの感覚過敏研究所と学生服メーカーの菅公学生服が共同で開発した「やさしいワイシャツ」が、第18回キッズデザイン賞「子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン部門」を受賞した。
「やさしいワイシャツ」は、感覚過敏を持つ学生が安心して着用できるよう、細部にまで配慮した制服。「感覚過敏」とは、視覚、聴覚、触覚など、様々な感覚が過敏になることで、発達障害の人に多く見られる症状。
日常生活に支障をきたし悩みを抱える人が多く、特に、肌着や制服など、常に身につける衣服は、感覚過敏を持つ人にとって大きな負担となる。学校指定の制服がある場合、制服の着用で不快感を感じながら学校生活を送る生徒や、不登校になる子どももいるという。
今回の開発にあたっては、感覚過敏研究所の所長である加藤路瑛氏を中心に、実際に制服に悩む中高生からの意見を丁寧にヒアリング。試着会なども重ねることで、当事者のリアルな声が商品設計に反映された。
「やさしいワイシャツ」は、肌への刺激を徹底的に減らした。縫い目は肌に触れないよう、すべて巻き伏せ縫いで仕上げ、チクチクするタグは全て除去。襟元も、縫い目や段差を減らし、柔らかな素材を使用することで、締め付け感を軽減している。
デザイン面では、従来のカッターシャツと変わらないフォーマルな外観でありながら、一番上のボタンを外しても襟元が開きすぎないボタン間隔にこだわり、着心地の良さも追求。
同製品は、子どもたちの感性を育み、暮らしやすい社会の実現を目的とするキッズデザイン賞の理念に合致した製品として、高く評価された。
Top Image : © 株式会社 クリスタルロード