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2024.07.16
知財ニュース
東レ×多摩美術大学、人工皮革「Ultrasuede®」を“調理”し、素材の魅力を探求するワークショップ報告展
東レと多摩美術大学の産学連携ワークショップ「Material Design Cooking(マテリアル・デザイン・クッキング)」の成果報告展が、2024年7月10日より開始した。
同ワークショップは、東レが開発した人工皮革「Ultrasuede®(ウルトラスエード)」の加工などを通して、素材の変化を楽しみながら、クリエイションのプロセスにフォーカスする実験的な取り組みだ。切ったり、貼ったり、熱したりと「調理」するように素材の加工や実験を行い、素材の魅力を再発見する。
多摩美術大学の素材研究室「CMTEL(シムテル)」が主催。今回は、2023年5月~6月に実施したワークショップの作品を展示している。
素材に用いている「Ultrasuede®」は、ポリエステル原料の極細繊維からなるスエード調の人工皮革だ。東レの繊維技術により極細の繊維を構築し、絡み合わせて表面を起毛。スエード特有のソフトで滑らかな風合いを持つ。
軽さも特徴で、全長900キロメートルの繊維の重量は1グラムにも満たない。また、化学繊維ゆえに型崩れしにくく、ウォッシャブルで、通気性・耐久性などの多様な機能性も搭載。ポリエステル原料には、再生PETや植物由来の成分を使用し、環境負荷も抑えている。
これまでも、アパレル領域に加え、家具や自動車のシート、デバイスの保護製品などで幅広く活用されてきた。
主催のCMTELは2007年に開設。Color(色彩)・Material(材料)・Trend(傾向)のExploration(調査)により、学生がプロジェクトを企画・開発する際に、制作物の材料や考え方の糸口を見つけるためのLaboratory(研究室)として設置された。国内外の材料メーカーなどから、サンプル供給やサポートを受けて運営している。
「Material Design Cooking」は2021年度より開始。東レから「Ultrasuede®」の提供を受け、産学連携で進めてきた。2023年のワークショップでは、素材の特性を活かした作品に加え、ねじる・焦がす・積層するといった、通常の製品生産では行われない加工を施したユニークな作品が誕生した。
今回開催されている成果報告会の概要は、以下の通り。2024年7月25日までの開催を予定している。素材の可能性を拡げる、自由な発想に出会えそうだ。
2023年に開催した成果報告展の展示画像
開催概要
▼企画展「マテリアル・デザイン・クッキング成果報告展 〜ウルトラスエード®の素材探求〜」
会 期:2024年7月10日(水)〜25日(木) ※日月祝定休
時 間:11:00〜18:00 入場無料
会 場:多摩美術大学 TUB 東京都港区⾚坂9-7-1 ミッドタウン・タワー5F(東京ミッドタウン・デザインハブ内)
主 催:多摩美術⼤学 CMTEL
協 賛:東レ株式会社
Top Image : © Tama Art University Bureau