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2024.10.03
知財ニュース
鏡を通り抜ける映像、NTTの超鏡空中像システムが世界初の技術を実現
NTTは、鏡の中と外をデジタル映像が自由自在に行き来する「超鏡空中像表示システム」を開発し、世界で初めて実現したことを発表した。
同成果は、2024年7月28日から開催された世界最大のCG国際コンベンション「SIGGRAPH2024 Emerging Technologies」で展示された。
同システムは鏡の内と外、両方に映像を表示でき、まるで映像が鏡を通り抜けてきたかのようなSF感覚を味わえる。VRゴーグルや3Dメガネなどを装着しなくても、複数の人が同時にシステムを楽しむことができ、ユーザーは映像に触れることなく、鏡の中・鏡の外に映る空中像をジェスチャーで操作することが可能。
従来の技術では、ミラーディスプレイに映し出されたり空中に浮かぶ映像は表示される場所が限定されていた。しかし、同システムでは、再帰反射材とハーフミラー、移動機構を備えたディスプレイ、さらに光の反射を巧みに利用することで、バーチャルキャラクターなどを鏡の中と外の両方に投影させることが可能になったという。
同技術は、博物館において歴史上の人物が鏡の中から語りかけてきたり、動物園で動物たちが鏡から飛び出してくるといったような、これまでにない体験ができるようになり、様々な場所に展開できる可能性が期待されている。
同社は今後、より鮮明で立体的な映像表示を実現する研究を進め、エンターテインメント分野などへの応用を検討していく、と展望を述べている。
Top Image : © 日本電信電話 株式会社