News
2023.06.22
知財ニュース
ネット上から盗撮写真を追跡、オンライン顔検索エンジン「PimEyes」が公開─9億人の顔写真を学習、AI技術で精度90%
ポーランドのスタートアップPimEyesは、インターネット上の盗撮画像の追跡を目的に、人物の画像検索に特化した精度90%の画像検索エンジンを開発した。ネット上から特定の人物の顔写真を探し出す。
本サービスは、AI技術によりインターネット上に散らばる全ての写真から、指定した特定の人物の写真を4秒で探し出すことが可能。PimEyesは、1億5,000万のウェブサイトから9億人の顔を集めた大規模な画像データベースを構築しており、継続的に、顔を含めて公開された写真を検索し、1日あたり最大1TBの画像を処理している。
ユーザーは、写真をプラットフォームにアップロードするだけで検索可能。アップロードされた写真とPimEyesが過去に集めたオンライン上の写真が一致すると、オンライン上の類似画像が写真やリンクとともにユーザに表示される。
なお、本サービスは有料版と無料版があり、無料版は検索結果の一部しか閲覧できず、1日25回の検索制限がかかっている。一方、有料版は検索結果をメールで通知する機能が搭載されているほか、インターネット上の写真の削除を希望する場合、DMCA(デジタルミレニアム著作権法)とGDPR(EU一般データ保護規則)に沿った削除依頼を作成し、代理で送信する機能も搭載されている。
一部では、インターネット上の個人情報の流出や技術的な悪用などの可能性も指摘されているこのサービス。これらの懸念に対して同社は、ユーザーが自身の情報をあくまで検索・監視・保護できるようにしているだけで、自分以外の情報を探すよう促すことはなく、技術の誤用はユーザ個人のものであると主張。写真に映っている人の個人情報は提供しないとしている。
Top Image : © PimEyes