News
2022.08.15
知財ニュース
DNP、5G帯域の電波を選択的に吸収する薄型・軽量のシート「電波吸収シート」を開発
大日本印刷株式会社(以下DNP)は、第5世代移動通信システム(5G)の周波数帯であるミリ波帯(28GHz帯)やSub6帯(3.7GHz帯、4.5GHz帯)で、特定の周波数の電波のみを選択的に吸収し、電波の漏洩や干渉を防止する薄型・軽量の「電波吸収シート」を開発した。
5Gの普及によって超高速・超低遅延・多数同時接続の通信が期待されるなか、電波同士の干渉や、通信エリアからの電波の漏洩を抑えるため、特定の周波数の電波のみを選択的に吸収したいというニーズが高まっている。
こうした電波の干渉や漏洩の防止に用いられる電波吸収シートは、重量やサイズ等の制約により設置箇所が限られてしまうという課題があり、また周囲の景観に調和可能な意匠性に関するニーズも高まっている。
これらの課題解決に向けて、DNPは5G周波数帯であるミリ波帯とSub6帯で、特定の周波数の電波のみを選択的に吸収する「電波吸収シート」を開発した。
材料や設計の工夫により、従来品と比べて大幅な薄型化・軽量化を達成するとともに、DNP独自のEBコーティング技術を活用することによって、屋外でも利用可能な耐候性や耐傷性を達成したという。また、木目調をはじめ、建具用シートなどのさまざまな意匠を施すことにより、特に屋内で求められる高い環境調和性も備わった。
DNPは、「電波吸収シート」の実証実験を進め、2023年までに製品化を目指す。
Top Image : ©︎ 大日本印刷 株式会社