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2024.07.26
知財ニュース
キヤノン、日本メドトロニックら4社、CT画像を3Dに立体表示するMRトレーニングシステム「MR Anatomy」提供開始
日本メドトロニック、キヤノン、キヤノンITソリューションズ、ザイオソフトの4社は、共同で、CT(コンピューター断層撮影装置)で撮影した肺の構造をMR(複合現実)で観察できる医療従事者向けのトレーニングシステム「MR Anatomy」の提供を、2024年7月上旬より開始した。月額使用料25万円(税抜)。
ノート型PCの専用アプリケーションにCT画像をもとにした3D画像を取り込み、キヤノンのMR用ヘッドマウントディスプレイ「MREAL X1」を通じて、3D画像の肺のモデルを観察する。なお、クラウドへのデータアップロードは不要。
同システムは、高精細な3D画像での観察により、肺の立体的な構造の理解を促進するもの。ザイオソフトの3次元医用画像処理システムなどにより出力された3Dデータ化した肺のCT画像を、キヤノンのMRシステムで現実空間に実寸大の3D画像で表示。2D画像では把握することが難しかった、症例ごとに異なる病変の位置や血管の走行、臓器の大きさなど、肺の解剖学的構造を実寸大で立体的に理解が可能になる。
システムは、3Dデータ化した肺のCT画像を、専用アプリケーションを用いてPCでドラッグ&ドロップするだけでセットアップが完了し、すぐに観察を開始することが可能。さらに、表示した肺の3D画像は、体験者の手で拡大・縮小や回転させることができ、直感的に操作することができるという。
同システムは、2024年中に4施設の呼吸器外科への導入が予定されており、その後3年以内に30施設での導入が目標。また、肺以外の臓器での活用や、術前シミュレーションにおける使用ニーズがあれば、医療機器としての申請も視野に入れていく。
近年、より小さく腫瘍を取り除く「区域切除」が増加しており、医療従事者による更なる精緻な肺の構造の理解が求められてきた。同システムは、現実世界に高精細な実寸大の肺の3D画像を表示し、臓器や血管、病変の位置関係など、解剖学的構造の理解を深めることで、医療現場の教育・トレーニングの質の向上を目指していく。
Top Image : © 日本メドトロニック 株式会社