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2025.10.09
知財ニュース
パナソニック、免許不要で漕がずに走れる自転車「MU」を発表―2025年12月上旬発売

パナソニック サイクルテック株式会社は、同社初となる、漕がずに走れる免許のいらない電動モビリティ・特定小型原動機付自転車「MU」を2025年12月上旬より発売すると発表した。
近年、都市部を中心に短距離移動のニーズが高まり、多様なモビリティの活用が進んでいる。中でも、免許不要で漕がずに走行できる特定小型原動機付自転車には電動キックボード型や自転車型などバリエーションもあり、既に広く普及しているペダルを漕ぐ力を補助する電動アシスト自転車とともに、通勤・通学、日常の買い物、観光など、さまざまなシーンで利用されている。同社は、こうしたニーズの高まりを受け、特定小型原動機付自転車の開発を決定したのだという。
特定小型原動機付自転車とは、最高速度20km/h以下で、長さ190cm以下・幅60cm以下であることが定められた電動モビリティだ。定格出力0.6kW以下の電動機を使用し、オートマチックトランスミッション(AT)機構や最高速度表示灯を備えた構造が条件となっている。運転免許は不要だが、16歳以上であること、自賠責保険への加入、ナンバープレートの装着が義務付けられている。
同社は、自転車メーカーとしてこだわってきた「くらし起点での製品設計」と「安全性に配慮した品質水準」を大切にしながら、特定小型原動機付自転車の開発に取り組んだとのこと。
特定小型原動機付自転車「MU」は、車道通行や歩道への乗上げや歩道での押し歩きなど、様々な路面状況での走行を想定し、安定性と取り回しに優れた車体と20インチタイヤを採用。フレームは、足をつく機会が多いことも想定して、またぎやすいU字フレームを採用。また、足つきがしやすいよう高さ調節可能なシートで、快適な乗り心地を実現している。自転車部品を活用した扱いやすい設計により、自転車販売店での修理やメンテナンス対応も容易にしている。
一部歩道(例外的に「自転車歩道通行可」の標識・標示がある歩道のみ通行可能)に対応する6km/hの歩道モードを搭載。さらに、坂道での出力を制御するための加速度センサーも搭載している。電動アシスト自転車と共通仕様のバッテリーは、簡単に取り外せて自宅に持ち込んでの充電が可能で、急速充電にも対応している。
安全性に配慮した品質水準は、求められる保安基準への適合はもちろんのこと、独自の基準を定めて品質試験を実施し、製品の品質管理を徹底している。
フレーム疲労試験では、フレームに繰り返し荷重を加え、破損や変形に至るまでの耐久性を測定。自社基準をクリアすることに加え、破損時の状態も確認することで、強度と安全性を総合的に評価している。
ブレーキ性能試験では、特定小型原動機付自転車に求められる制動力の保安基準を満たすとともに、電動アシスト自転車で培ってきた技術を活かし、耐久性・坂道走行・急停止など、実際の使用環境を想定した繰り返し試験を実施。
塩水噴霧試験においては、雨天時の走行や沿岸部での使用、経年劣化による錆びつきなどを確認するため、塩水による噴霧試験を実施。
購入後の不安を軽減するため、充実した保証制度を整備。特定小型原動機付自転車の購入が初めての人にも、長きにわたり安心して使い続けることができるように、もしもの時の「あんしんサービス」を提供するとしている。
Top Image : © パナソニック サイクルテック 株式会社