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2023.02.02

知財ニュース

宇宙生活をシミュレーションできる"ダンボール"製ドーム型テント、宇宙開発向け生活環境検証ユニットを発表

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東洋製罐グループとNPO法人フィールドアシスタントは、共同で開発を進めていた組立式ダンボール製テント「DAN DAN DOME(ダンダンドーム)」を活用した宇宙開発向け生活環境検証ユニット「DAN DAN DOME EXP. STATION」の開発を発表した。

「DAN DAN DOME EXP. STATION」は、「DAN DAN DOME」シリーズに使われている扉やユニットを組み合わせた合計9棟のドームで構成されている。ネジや釘を一切使用せずパーツを簡単にドッキングできる利便性と宇宙を想定した生活にも充分耐えうる拡張性を備え、様々な想定外のシミュレーションをこれまでにない簡易さで行える。

また、東洋製罐グループの独自ラミネート技術を用いた高い耐水性も実現。さらに、フィールドアシスタント法人が長年培ってきた模擬実験のノウハウを提供し、宇宙と地上管制の現場を想定した検証を可能にするとのこと。

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近年、民間企業における有人宇宙飛行をはじめ様々な動きが加速している中で、宇宙環境下での生活の検証の重要性も高まっている。しかし、こうした検証は専門施設や自然の洞窟で行われており、多くの時間とコストがかかるのが実情だという。

一方で本製品は、月や火星での基地建設作業を想定した船外活動におけるチームビルディングや訓練の検証方法として有効利用可能。また、閉鎖的な空間を簡単に作り出せるため、宇宙飛行士以外にも地上管制官や、プロジェクトに関わるあらゆるメンバーに宇宙生活を想定した体験を提供でき、プロジェクト推進の加速のサポートが見込めるという。

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なお本製品は、東洋製罐グループが2020年より参画している地球と宇宙の食の課題を解決する共創プログラム「SPACE FOODSPHERE」のプロジェクトの一環として開発。内閣府が主導する「宇宙開発利用加速化プログラム(スターダストプログラム)」の一環として、QOLマネジメントシステムの検証もこの施設を活用して実施されている。

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さまざまな企業や団体から期待の声が寄せられているこのプロジェクト。フィールドアシスタント法人代表で極地探検家の村上祐資氏は、「希少価値が前提の宇宙ブームとは一線を画したこのプロジェクトを日本から動かしたい」と語る。両社は今後、本取り組みを通して、宇宙開発に関わる様々な企業・団体の要望に合わせたプロダクトの提供を予定しているという。

■先発品「DAN DAN DOME」シリーズ構成

①アートモデル

屋外使用に対応した耐水モデルである「スタンダード」をベースに、 印刷やペイントにも対応したホワイトモデル。

②インナールーフ
アートモデルにオプションとして加えられた内外の突起(リブ)がほぼなくなる内装壁ドームユニット。プロジェクター投影等が可能になる。

③エントランスパーツ
「DAN DAN DOME」の開口部上下にはめ込むことで壁面に、下半分なら窓にと用途の変更を可能にするオプションの扉ユニット。

④スペースユニット
2棟以上の「DAN DAN DOME」を連結して複数の部屋がある空間として使用できるオプションの通路ユニット。

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ニュースリリースはこちら(1) (2)

「DAN DAN DOME(ダンダンドーム)」公式サイト

「DAN DAN DOME EXP. STATION」詳細サイト

「DAN DAN DOME」知財記事

「SPACE FOODSPHERE」公式Facebook

Top Image : © 株式会社 ATTRACTION

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