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2025.06.23
知財ニュース
アサヒ・キリンなど飲料4社、自動運転トラックでビールを運ぶ実証実験を開始―関西~関東間で本格検証

自動運転トラック開発を手がける株式会社T2は、アサヒ、キリン、サッポロ、サントリーという国内主要飲料メーカーの物流子会社4社と共に、T2が開発した自動運転トラックによる幹線輸送実験を開始した。
実証実験は、6月9日より、T2が開発した自動運転トラックが関東と関西を結ぶ高速道路を舞台に、4社の製品を実際に積んで走行するというもの。
例えば、往路ではキリンのビールを横浜工場から神戸工場へ、復路ではアサヒのビールを吹田工場から茨城工場へといったように輸送を行い、貨物を積載した幹線輸送における自動運転下での走行ルート検証、走行リードタイムおよび物流品質の検証、想定したオペレーションパターンの有効性検証などを行う。
実証実験は2025年6月から11月まで実施され、期間中に計16回(8往復)の輸送が計画されている。
取り組みの背景にあるのは、「2024年問題」と言われる深刻なトラックドライバー不足。2030年には輸送能力の34.1%が不足すると予測されており、特に輸送量およびトラックの運行数の多い飲料業界にとっては、輸送能力の低下により消費者への製品供給が遅れるリスクが高まっているという。
今回の実証では、ドライバーが同乗するレベル2の自動運転技術を活用しているが、同社は今後、2027年からドライバーが不要な完全自動運転「レベル4」による幹線輸送の実現を目指していくとしている。
レベル4自動運転トラック(無人)の場合、1日最大15時間と定められているドライバーの拘束時間と無関係に運行が可能なため、ドライバー1人あたり1日1運行(片道)が限界だった現状の輸送能力を、将来的には2倍(往復)まで高めることができると見込んでいる。
Top Image : © 株式会社 T2