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2024.11.27
知財ニュース
糖尿病による下肢切断リスクをVRで体感できる「Steplife VR」がリリース―早期のフットケアをサポート
株式会社セカンドハートは、糖尿病による下肢切断のリスクをVRで体感できる新サービス「Steplife VR」を開始したことを発表した。同サービスは、末梢神経障害を患った自身の未来を疑似体験できるというもの。
「もし、自分が末梢神経障害の兆候に気づいていたら」「もし、気づかずに暮らしていたら?」という両方の未来を、最新のVR技術を搭載したヘッドマウントディスプレイを装着することで、一人称視点でタイムトラベルしながら擬似体験できる。
調べによると、糖尿病を発症した糖尿病患者のうち、体のパーツを中枢神経とつなぐ役割を果たす末梢神経に異常をきたす末梢神経障害を患う割合は約50%にも及び、手や足がしびれたり、手や足がしびれたり、歩行困難になったり、ひどい場合には下肢切断にまで至るケースもある。
しかし、2022年に同社が行った調査によれば、糖尿病患者の約57.1%は下肢切断について自分事とは感じていないという調査結果もあり、早期発見や処置をすれば、 足潰瘍から下肢切断に至るケースが回避できた可能性がある患者が後をたたない。
また、下肢切断後5年の死亡率は、他の合併症に比べて著しく高いことも分かっているという。同社では、増え続ける糖尿病患者が一人でも多く、末梢神経障害に関する正しい知識を持ち、経過観察の過程で、医師と対話しながら予防策や対処策を実践できるよう、今回のサービス開発に至ったのだという。
すでに同社は今年5月に糖尿病患者と医療機関をつなぐフットチェックアプリ「Steplife」をリリースしており、糖尿病患者が自身の足の写真を撮影、記録することで状態を継続的に観察したり、アップロードした画像データやテキスト情報を元に担当医師が診療行うなど効率的にサポートできるものとして、既に4つの医療機関が利用を開始している。
今回新たにリリースされた「Steplife VR」は、Steplifeの利用に至る手前の段階から利用できる医療機関用糖尿病患者教育用VRコンテンツであり、同サービスを通じて患者自ら早期のフットケアが行われることが期待されている。
Top Image : © 株式会社 セカンドハート