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2025.12.22
知財ニュース
米TIME誌、「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」にAIの設計者たちを選出

米TIME誌は、2025年の「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」にAIの設計者たちを選んだ。
今年は人工知能(AI)の潜在能力が真に発揮され、もはや後戻りすることも、放棄することもできないことが明らかになった年だった。
AIがクジラとのコミュニケーションを容易にしたり、30年来の未解決の数学の問題を解いたり、従来のハリケーン予測モデルよりも優れた性能を発揮したりできることがここ数週間だけでも分かってきた。これらのシステムは驚異的なペースで進歩しており、かつては人間が何時間もかかっていた作業を数秒で実行できるようになった。また、ある調査によると、AIの能力は現在、1年に2倍近く倍増しているとされている。
「パーソン・オブ・ザ・イヤー」は、メディアの最も長く続いている伝統の1つだ。タイム誌が1927 年の「マン・オブ・ザ・イヤー」にチャールズ・リンドバーグを選んで以来、長い道のりを歩んできた。1982年にはパーソナルコンピュー、2006年には、「あなた」を選出するなど、個人に限らない象徴的な存在を選んできた実績もある。
今年の表紙はAIの文字が大きく描かれた建設現場を思わせる表紙と、1932年の有名な写真「摩天楼の頂上でランチ」を想起させる構図で、AI時代を象徴する複数の技術リーダーが描かれた表紙の2種類が用意された。AI設計者たちの表紙には、Metaのマーク・ザッカーバーグ、AMDのCEOリサ・スー、イーロン・マスク、OpenAIのサム・アルトマン、NVIDIAのCEOジェンスン・フアンなど、AI分野を象徴する人物たちが登場している。
Nvidiaを率いるジェンスン・フアン氏はTIME誌に「すべての業界がAIを必要とし、すべての企業が使用し、すべての国がAIを構築する必要があります」、「これは、現代で最も影響力のあるテクノロジーです。」と語っている。
一方でTIME誌は、AIの進歩によって雇用が失われつつあることや、AIによる投稿や動画を通じた誤情報の蔓延、人間の介入なしに大規模なサイバー攻撃が行われる可能性など、負の側面についても指摘している。
TIME誌は、「AIを構想し、設計し、構築してきた人々以上に、2025年に世界へ大きな影響を与えた存在はほかにいない」と述べている。AIは良くも悪くも今年を席巻し、思考する機械の時代を築き、人類を驚嘆させると同時に不安も呼び起こした。そうした変化を生み出した“AI設計者たち”という集合的存在こそが、タイム誌の2025年パーソン・オブ・ザ・イヤーにふさわしいと結論づけている。
Top Image : © TIME


