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2024.03.01
知財ニュース
Microsoft、ソフトバンク、AWS、NVIDIAらが「AI-RANアライアンス」設立─AIを活用した新たな通信プラットフォーム構築目指す
スマートフォンなどのデバイスから受け取った通信データをネットワークに引き渡してつなぐ、「Radio Access Network」(無線アクセスネットワーク、以下RAN)。RANにAIを活用して、新たな通信プラットフォームの創出を目指す「AI-RANアライアンス」が発足した。スペイン・バルセロナで行われた世界最大級のモバイル関連技術の展示会「MWC Barcelona 2024」で、2024年2月26日に発表され、同日より始動した。
「AI-RANアライアンス」の設立メンバーは、Amazon Web Services(AWS)、Arm、DeepSig、Ericsson、Microsoft、Nokia、ノースイースタン大学、NVIDIA、Samsung、ソフトバンク、T-Mobile。5G/6Gでさらなる進化が見込まれるAIを活用して、グローバル規模でのモバイルネットワークの効率性の向上や消費電力の削減、既存インフラの強化を図り、電気通信業界で新たなビジネスやイノベーションを創出することを目指している。
研究開発は主に下記3つのテーマで行う。メンバーの企業・大学が持つ先端技術を用いて、実証実験を進め、社会実装に向けて取り組む方針だ。
・AI for RAN:AIを活用してRANの性能を進化させ、無線周波数のスペクトル効率を向上
・AI and RAN:AIとRANの処理を統合し、インフラの利用効率を上げることで、AIを活用した新たな収益機会を創出
・AI on RAN:RANを通じて、ネットワークエッジ側にAIを展開し、RANの運用効率を高めて、モバイルユーザーに新たなサービスを提供
RANは、第1世代から第5世代(5G)までにわたって活用されている技術で、複雑化・高度化されながらもベースとなる考え方は変わっていない。「AI-RANアライアンス」は、RANには“未開拓の広大なフロンティアが残されている”とし、その可能性を表現している。今後の進展が期待される。
Top Image : © ソフトバンク 株式会社