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2025.09.04

知財ニュース

世界初、医療ロボで検体搬送と自動投入に成功―藤田医科と川崎重工、臨床検体配送ロボットを実証

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藤田医科大学と川崎重工業株式会社は、世界初となる、サービスロボット連携による臨床検体配送から臨床検査機器への自動投入までの実証に成功した。

これは、川崎重工が開発した屋内配送用サービスロボット「FORRO」とアーム付き自律走行型サービスロボット「Nyokkey」の2種類のサービスロボットを連携させ、病棟から検査室まで検体の自動配送を行い、臨床検体の配送から臨床検査機器への自動投入までを一貫して自動化した世界初の事例となる。藤田医科大学 岡崎医療センターで実証実験を行なった。

アーム付き自律走行型サービスロボット「Nyokkey」が「FORRO」の荷室から臨床検体を取り出し、臨床検査機器に自動投入を行うという一連の動作を行い、検証を実施。川崎重工の屋内外位置情報ソリューション「mapxus Driven by Kawasaki™」も活用し、導入効果の検証が行われた。

今回の成功は、高齢化による患者数の増加や労働人口減少による医療従事者不足という日本の医療現場が抱える課題に対し、ロボット技術が解決策となり得ることを示している。

両社は、これまで自動化されてこなかった業務をロボットに代替させることで、医療従事者が専門業務により集中できる環境を整備し、医療現場の持続的な発展に貢献し、質の高い医療を持続的に提供することを目指す。

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実証実験では、8月4日から8月6日にかけて、ロボット「FORRO」が病棟から検査室まで検体を自動で運搬。次にロボット「Nyokkey」が「FORRO」の荷室から検体を取り出し、臨床検査機器に自動で投入するという一連の動作が検証された。

さらに、このロボットシステム導入が検体配送や検査業務に携わる看護師や臨床検査技師などの医療従事者の業務負担をどれだけ軽減できるかについても評価を実施。「mapxus Driven by Kawasaki™」を用いて医療従事者の移動距離などを計測し、ロボットの導入効果を定量的に分析することで、その有効性が実証された。

「FORRO」は「ヒトは、ヒトにしかできないことを。」というコンセプトのもと開発された、医療従事者のパートナーとなる親しみやすいデザインのロボット。「Nyokkey」は汎用性の高いアーム付き自律走行型ロボットとして、製造業だけでなく、介護施設、飲食店、そして医療分野といった幅広い領域での業務効率化や省人化に貢献できるよう設計されている。

また、「mapxus Driven by Kawasaki™」は、GPSが届きにくい屋内外のあらゆる場所でWi-Fi環境のみで高精度な位置情報と地図情報を提供するソリューションで、ナビゲーションやリアルタイムの位置情報共有、移動軌跡の可視化を通じて業務改善に寄与したもの。

これらのロボット技術とソリューションの組み合わせにより、藤田医科大学と川崎重工は、医療現場における労働力不足の解消と医療従事者の負担軽減という社会課題の解決に貢献していく。

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Top Image : © 藤田医科大学

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