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2023.11.28
知財ニュース
東京大学、「集中力を高めて聖剣を抜く」VR体験を開発─脳波と視線から集中力を計測
東京大学の研究チームは、「集中力を高めて聖剣を抜く」VR体験についての研究報告を公開した。
本研究は、論文「聖剣を継ぐ者ー集中の証明ー」にまとめられたもの。体験者は、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)と脳波計測デバイス、ヘッドホンを装着し、集中力を高めることで、台座にささった剣型デバイスを抜くことが可能になる。
剣型デバイスは、ToF測距センサーでVR映像内の剣とリアルタイムで同期しており、ブレイド部分がケーブルでモーターに接続されている。通常時はモータートルクの力で抜けないようになっているが、集中時にはケーブルが緩み、台座にささった剣型デバイスを30cmほど引き抜ける。
また、体験者の集中力は、HMDからフィードバックされた視線情報と脳波データから計測。VR内の映像では、集中力の高まりとともに周辺視野のピントがぼけ、スローモーションになっていき、ヘッドフォンの音も環境音の音量が小さくなり、ピッチが遅くなっていく。
なお、剣型デバイスのグリップ部分には振動モーターが搭載されており、集中度合いに応じて振動。また、ガード(柄)には、ファンが搭載されており、剣が抜けた時に風を送ることで、成功体験を表現する。
集中力を意識的に高める体験を味わえる本デバイスは、11/17、18に開催された「サイエンスアゴラ2023」でも一般公開されており、大きな話題を集めた。
Top Image : © Peatix Inc.