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2021.06.03

知財ニュース

5万2000点の盗難美術品にアクセスできるアプリ「ID-Art」をインターポールが公開

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インターポール(国際刑事警察機構)が、盗難美術品へのアクセスに特化したアプリ「ID-Art」をリリースした。ID-Artを使うことで、インターポールが管理する盗難美術品や行方不明になった美術品のデータベースへ誰でもアクセスすることができる。

登録されている盗難美術品は5万2000点以上で、警察や税関職員だけでなく、個人コレクターやディーラーなどが盗難美術品を即座に確認できる。データベース検索は写真による画像検索と検索条件を入力する手動検索が可能、作品詳細情報をインターポールに通報することができる。

このデータベースは、1995年に採択された文化財の不正取引に関する国際条約であるユニドロワ条約でも言及されており、警察認定の情報を含む唯一の盗難美術品データベースとなっている。

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また、「オブジェクトID」と呼ばれる国際標準規格を用いて、所有する美術品の画像や特徴をアプリに記録し、コレクションの管理をする機能も搭載されている。盗難が発生した場合には、登録情報を警察に提供し、それをもとに追跡することで発見の可能性が高まることが期待される。アプリ上で世界の文化遺産の場所や画像を記録し、略奪等の危険にさらされている遺産の情報を把握することができ、略奪・破壊された場合の再構築にも役立てられる。

インターポール事務局長のユルゲン・ストックは、「近年、武力紛争、組織的な略奪、文化的浄化に起因する、テロリストによる各国の文化遺産の未曾有の略奪を目の当たりにしてきた。この新しいツールは、警察官、文化遺産の専門家、そして一般の人々が共通の遺産を守る能力を高めるための重要な一歩となる」とコメント。

アプリはアラビア語、英語、フランス語、スペイン語で利用可能。Apple StoreおよびAndroid Play Storeから無料でダウンロードが可能だ。

「ID-Art」詳細はこちら

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