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2022.02.22

知財ニュース

自律型ロボットが人間の助けなしで豚の手術に成功―リアルタイムで手術計画を調整

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米・ジョンズホプキンス大学が開発した自律型ロボット「Smart Tissue Autonomous Robot(STAR)」が、人の手を借りずに豚の腸の腹腔鏡手術に成功した。人が関与しない手術の成功は今回が初めてとなる。

今回行われた手術は豚の腸の両端を縫合するもので、腹部手術の中でも非常に難易度が高いとされている。腸の組織は柔らかく、手の震えやわずかな縫合箇所の誤りによって重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、外科医は高精度で一貫性のある縫合を行うだけでなく、それぞれの患者に応じて適切な処置をする必要がある。

上記の理由から、ロボットによる腸の手術は難しいとされてきた。STARは2016年に開発されたシステムがベースとなっており、旧システムでも豚の手術に成功しているが、人間の手による誘導や大きな切開などの補助が必要だった。

STARが難易度の高い手術に成功したのは、自律性を強化したためだという。STARには特殊な縫合ツールや三次元内視鏡、機械学習ベースのトラッキングアルゴリズム、リアルタイムで手術計画を調整できる制御システムが搭載されており、予測不能な状況にも適応することが可能となった。

ジョンズホプキンス大学の機械工学助教授であるアクセル・クリーガー氏は、「4匹の豚で手術を行った結果、今回の手術は外科医による手術よりも優れていた」と述べている。

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Top images : © Johns Hopkins University

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